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Unix考古学

アスキードワンゴ

2,288円 (2,080円+税)

Unix考古学 Truth of the Legend 今日のITを語るうえで欠かせないUnixがどのように生まれ、どのように発展してきたのか。数々の伝説に彩られたUnixの真実を探ります。

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内容紹介

◆そこにはいつもUnixがあった

C言語、インターネット、オープンソースなど、今日の情報社会を支える基盤技術の成立には、Unixの存在が欠かせません。Unixの開発はどのように行われたのでしょうか。

本書は、社会情勢や技術動向も確認しながら、Unix開発の歴史を追いかけていきます。仮想記憶に代表されるOS研究の成果がどのように反映されていったのか、プログラミング言語Cがどのような経緯で開発されたのか、コンピュータネットワークの基盤としてのTCP/IPの確立にどのような役割を果たしたのか、オープンソースムーブメントにつながるUnixコミュニティがどのように形成されていったのか、コンピュータ市場に及ぼした影響はどのようなものであったのかといったことを、関連技術の概要とともに解説します。

Unix開発の中心的な存在であるKen Thompson(ケン・トンプソン)とDennis Ritchie(デニス・リッチー)、Sun Microsystemsの創始者の1人であるBill Joy(ビル・ジョイ)など、数多くのハッカーの存在も見逃せません。数々の伝説が残る彼らの存在がなければ、コンピュータや情報通信の姿は今日とはまったく異なったものになっていたかもしれません。

Unixには、“Small is Beautiful”という基本的な哲学があります。この哲学は、ITの根底を支える重要な概念として今後も継承されていくことでしょう。

※ 本書は、ソフトバンク クリエイティブ(現SBクリエイティブ)の『UNIX USER』の連載「Truth of the Legend - UNIX考古学」を再編し、大幅に加筆、修正を加えたものです。

書誌情報

  • 著者: 藤田昭人
  • 発行日: (紙書籍版発行日: 2016-04-28)
  • 最終更新日: 2016-04-28
  • バージョン: 1.0.0
  • ページ数: 272ページ(PDF版換算)
  • 対応フォーマット: PDF, EPUB
  • 出版社: アスキードワンゴ

対象読者

著者について

藤田昭人

Facebook : https://www.facebook.com/akito.fujita.50
GitHub : https://github.com/m04uc513

目次

第1章 プロローグ:Multics

  • 1.1 Multicsの開発 — Unix 誕生の契機
  • 1.2 Project Whirlwind
  • 1.3 ARPA
  • 1.4 Multics

第2章 PDP–7 Unix

  • 2.1 Ken ThompsonとDennis Ritchie
  • 2.2 Multics Project 撤退直後の混乱
  • 2.3 開発用コンピュータの調達
  • 2.4 Space Travel
  • 2.5 PDP–7 Unix
  • 2.6 TMG
  • 2.7 Programming Language B

第3章 First Edition Unix(Version 1 Unix)

  • 3.1 私のグループ
  • 3.2 起死回生の妙案
  • 3.3 PDP–11
  • 3.4 QED — Ken Thompson のバックキャリア
  • 3.5 roff
  • 3.6 First Edition Unix(Version 1 Unix)

第4章 Third Edition Unix(Version 3 Unix)

  • 4.1 Small is Beautiful
  • 4.2 1972–1973の状況
  • 4.3 C 言語の開発

第5章 デビュー

  • 5.1 学会発表
  • 5.2 BBNのLISP研究
  • 5.3 PDP–10の登場
  • 5.4 デマンドページングによる仮想記憶
  • 5.5 TENEXの人気
  • 5.6 TENEXの評価

第6章 Programmer’s Workbench

  • 6.1 Fourth Edition Unix
  • 6.2 1974 年から1975 年の状況
  • 6.3 Programmer’s Workbench

第7章 Seventh Edition Unix(Version 7 Unix)

  • 7.1 新たなスタンダード
  • 7.2 Portable C Compiler(PCC)
  • 7.3 Unixカーネルのポータビリティ
  • 7.4 Interdata 8/32
  • 7.5 Seventh Edition Unixの意義

第8章 Unix at Berkeley

  • 8.1 Unixのサポート
  • 8.2 UCBでのUnixの導入
  • 8.3 PostgreSQLの祖先Ingres
  • 8.4 そのころのUnixは?
  • 8.5 50 Bugs

第9章 Berkeley Software Distribution

  • 9.1 Unix 互換OS
  • 9.2 Pascal: モダンなプログラミング言語
  • 9.3 Pascal 誕生
  • 9.4 UNIX Pascal System
  • 9.5 Editor for Mortals

第10章 UNIX 32/V

  • 10.1 BSTJ UNIX特集号
  • 10.2 VAX–11/780への移植

第11章 Third Berkeley Software Distribution(3BSD)

  • 11.1 Richard FatemanとMacsyma
  • 11.2 仮想記憶機能のサポート
  • 11.3 Third Berkeley Software Distribution(3BSD)

第12章 ARPANET

  • 12.1 ARPANET (1) — コミュニケーションデバイスとしてのコンピュータ
  • 12.2 1969年のアメリカ社会の情勢
  • 12.3 ARPANET (2) — インターネット前史
  • 12.4 DARPAと4BSD

第13章 4BSD

  • 13.1 DARPAからの支援
  • 13.2 4BSD
  • 13.3 4BSDのパフォーマンスチューニング
  • 13.4 4.1BSD

第14章 4.2BSD/4.3BSD

  • 14.1 4.2BSD
  • 14.2 4.3BSD

第15章 ワークステーションのコンセプト

  • 15.1 コンピュータのパラダイム
  • 15.2 パーソナルコンピュータのコンセプト

第16章 AT&TとUnixライセンス

  • 16.1 オープンソースの文化
  • 16.2 巨大企業AT&T
  • 16.3 独占禁止法訴訟とUnixライセンス

第17章 Unix Wars

  • 17.1 第1ラウンド:SystemV vs. BSD
  • 17.2 第2ラウンド:UI vs. OSF
  • 17.3 Unix Warsの最期

第18章 エピローグ

  • 18.1 4.3BSD Tahoe
  • 18.2 4.3BSD Reno
  • 18.3 4.4BSD

付録A Unix 関連のトピック