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内容紹介
コンピュータ前史
ライプニッツからチューリングに至る数理論理学の系譜は,コンピュータの理論的バックボーンを形成しAIの登場までも予見している。代数の記号表現を通じて人間の思考の範囲すべてを包括するような記号体系の構築に献身したロジシャンたちの苦闘を,時代背景を取り込みながら解説する。さらに本書を構成する7人のロジシャンたちを,豊富なエピソードをもとにその人となりを描写する。また,本文に取り込むと冗長になりすぎる数学的解説は,原註に取り込むことで半独立的な構成としている。
比較的平易に書かれているので,コンピュータロジックの成り立ちに関心のある高校生以上の読者や,人工知能のロジックの成り立ちに関心のある読者にも必携の書である。
書誌情報
- 著者: デイヴィス マーティン(著), 沼田 寛(訳)
- 発行日: 2017-01-19 (紙書籍版発行日: 2016-11-30)
- 最終更新日: 2017-01-19
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 262ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: 近代科学社
対象読者
コンピュータ史;数学者,数学,和算家に興味がある人
著者について
デイヴィス マーティン
1928年,ニューヨーク市生まれ.アロンゾ・チャーチのもとで博士号を取得,1950年代にはヒルベルトの第10問題に関する重要な部分的結果を得ている.1950年代後半には「チューリング機械の停止問題」を定式化,彼が著わした計算理論の教科書(渡辺茂・赤摂也訳,岩波書店)は当時の研究者たちの必携書となった.記号論理学の歴史に造詣が深く,“The Undecidable”の編纂でも有名.超準解析を解説した著書(難波完爾訳,培風館)もある.現在はニューヨーク大学名誉教授,カリフォルニア在住.
沼田 寛
1948年,滋賀県生まれ.京都大学理学部卒.出版社勤務,フリーのサイエンスライター等を経て,2000年より公立はこだて未来大学システム情報科学部講師.2014年に定年退職後は,おもに科学書の翻訳の仕事をしている.著書に『科学はどこまで謎を解いたか』(宝島社),『ヒジョーシキな科学』(ジャストシステム),『図解「複雑系」がわかる本』(中経出版),訳書に『無限をつかむ』(イアン・スチュアート著,近代科学社)など.