

これからはじめる固体力学シミュレーション 初学者のための数理モデリングと確率的シミュレーションへの発展
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内容紹介
企業のエンジニアの方にも大学生にも、これから有限要素法による固体力学シミュレーションを利用しようとする方に最初に学んでいただきたいのは、実際の事象をいかに数理的に表すかという数理モデリング(mathematical modeling)です。
本書では、ソフトウェアの種類によらず、共通に必要な数理モデリングに焦点を当てて述べます。計算力学を専門としない方、つまり、有限要素解析ソフトウェアを問題解決のツールとして利用するだけの設計者などのCAEソフトウェアユーザにも、数理モデリングを学んでいただくことを念頭に執筆されています。さまざまな事例を通じて、付加価値をお伝えすること、および、そのためには数理モデリングあるいは数理的表記がキーとなることをお伝えします。
書誌情報
- 著者: 高野 直樹
- 発行日: 2025-09-05
- 最終更新日: 2025-09-05
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 234ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: 近代科学社Digital
対象読者
数理モデリング,解析,ヤング率,要素分割,有限要素解析,CAE,validation,V&V,verification,計算力学技術者,不確かさ,モンテカルロ,統計,偏微分方程式,プリプロセッシングに興味がある人
著者について
高野 直樹

1986年 東京大学工学部精密機械工学科 卒業
1988年 東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻修士課程 修了
同年,東京大学工学部精密機械工学科助手
1993年 博士(工学)(東京大学)
同年,ミシガン大学機械工学・応用力学科訪問研究員
1994年 大阪大学工学部生産加工工学科助手
1995年 同助教授
1996年 大阪大学大学院工学研究科生産科学専攻助教授
2004年 立命館大学理工学部マイクロ機械システム工学科教授
2008年 慶應義塾大学理工学部機械工学科教授
著書『数値解析入門』(共著), コロナ社, 2002.『メカニカルシミュレーション入門』(共著), コロナ社, 2006.『マイクロメカニカルシミュレーション』(共著), コロナ社, 2008.『工学シミュレーションの品質保証とV&V』(共著),丸善,2013.
目次
まえがき
第1章 シミュレーションの魅力
- 1.1 これから起こる未来の予測ツール
- 1.2 バーチャルマニュファクチャリング,バーチャルテスト
- 1.3 目に見えないものを見る
第2章 固体力学分野の有限要素解析のための数理モデリングとは
- 2.1 数理モデリングとは
- 2.2 数理モデリングにおける不確かさ
- 2.3 数理モデリングに慣れるには,および式の行間を読むこと
- 2.4 COMSOL Multiphysicsによる初学者向け教育と研究への適用
- 2.4.1 学部生向けコンピュータシミュレーション科目への適用例
- 2.4.2 医歯工連携研究における卒修論生教育への適用例
第3章 CAEに求められる品質保証
- 3.1 V&Vとは
- 3.2 実験データがない場合のモデリングの信頼性向上策
- 3.3 シミュレーションの品質保証のための組織マネジメント
第4章 テンソルで学ぶか,それともベクトル・マトリックスで学ぶか
- 4.1 計算力学の研究の今昔
- 4.2 ベクトル・マトリックスで学ぶべきin-houseソフトの開発
- 4.3 テンソルで学ぶメリット
- 4.3.1 主応力の理解の深化
- 4.3.2 Nansonの公式の応用
- 4.3.3 変形勾配テンソルと極分解はひずみ計測にも役立つ
- 4.3.4 異方性材料モデルの学習は唯一の例外か?
第5章 これだけは知っておくべき理論と知識
- 5.1 唯一解が存在する説得力のある数理モデリング
- 5.2 等価節点力として得られる反力のポストプロセッシングは過ちをおこしやすい
- 5.3 シミュレーション結果は偏微分方程式の近似解であること
- 5.4 要素についての最低限の知識
- 5.4.1 要素の選択に必要な形状関数の知識
- 5.4.2 要素内の評価点としてのガウス積分点の知識
- 5.4.3 はりの数理モデリングを知れば板・積層板の理解も進む
- 5.5 ディリクレ境界条件とノイマン境界条件
第6章 確率的シミュレーションのための不確かさの数理的表現
- 6.1 確率的シミュレーションのねらいとメリット
- 6.2 確率的モデリングの要点
- 6.2.1 確率的シミュレーションの流れ
- 6.2.2 パラメタリゼーション
- 6.2.3 サンプリング
- 6.3 幾何的ランダムパラメータに関する確率的モデリング
- 6.3.1 織物複合材料積層板のミクロ構造モデリング
- 6.3.2 円孔のサポートレス3D積層造形による造形不良の未来予測
- 6.3.3 3D積層造形の多孔質サポートの造形不良を考慮した特性評価
- 6.4 物理的ランダムパラメータに関する確率的シミュレーション
- 6.4.1 漸近展開近似に基づく確率的マルチスケールシミュレーション
- 6.4.2 ヒト海綿骨の個体差のモデリング・シミュレーション
- 6.5 境界条件の不確かさの数理モデリングと確率的シミュレーション
- 6.5.1 動的解析における荷重条件の不確かさのモデリング・シミュレーション法
- 6.5.2 非定常熱伝導解析における熱伝達境界の不確かさのモデリング・シミュレーション法
- 6.6 不確かさの伝播の可視化