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内容紹介
2009年発売の『企業の研究者をめざす皆さんへ』の新版。前書から十年の間に著者が経験した東京大学工学系研究科技術経営戦略専攻での技術リーダーシップ講義、統計数理研究所での知見、スタートアップ企業PFNの企業文化、政府関係の委員会や学会で得た情報を加えて、内容をさらに充実させている。
前書は日本IBM東京基礎研究所所長時代に研究員に宛てたレターを解説する形の構成をとったが、本書はレターだけでなく著者が講義で使用したケース事例、ブログや学会誌に寄稿したエッセイも紹介している。
研究の方法、論文の作法、キャリア、マネジメント、知財問題など研究職を希望する学部生や修士・博士課程の学生にとって興味を引く情報が揃い、現役の企業研究者・技術者にとっても読みごたえのある一冊となっている。
書誌情報
- 著者: 丸山 宏
- 発行日: 2019-12-21 (紙書籍版発行日: 2019-12-21)
- 最終更新日: 2019-12-21
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 233ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF
- 出版社: 近代科学社
対象読者
研究者,理系,論文,仕事術,就活,転職,修士課程,博士課程,働き方,キャリア,マネジメント,プレゼンテーションに興味がある人
著者について
丸山 宏
1983年:東京工業大学修士課程修了
同年:日本アイ・ビー・エム入社 ジャパン・サイエンス・インスティテュート(後の東京基礎研究所)にて,人工知能,自然言語処理などの研究に従事
1997-2000年:東京工業大学 情報理工学研究科 客員助教授 XML,Web サービス,及びセキュリティの研究・開発・標準化を行なう
2003-2004年:IBM ビジネスコンサルティングサービス株式会社へ出向
2006-2009年:東京基礎研究所所長 2007年より執行役員
2009-2010年:キヤノン株式会社 デジタルプラットフォーム開発本部 副本部長
2011-2016年:大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所 教授 サービス科学,ビッグデータ分析,人材育成,システムズ・レジリエンスなどの研究に従事
2016-2018年:株式会社Preferred Networks 最高戦略責任者
現在:株式会社Preferred Networks PFN Fellow
目次
はじめに
第1章 Research That Matters
第2章 研究の営み
- 2.1 良い問題を選ぶ
- Letter 良い問題を選ぶ
- Letter 問題を探す
- Letter 面白い研究とは
- 2.2 問題を解く
- 2.2.1 問題の分割
- 2.2.2 仮説生成と検証
- 2.2.3 仮説の検証
- 2.2.4 関係の推論
- 2.2.5 因果の推論
- 2.2.6 改善を行う
- 2.2.7 ソリューションを設計する
- 2.3 研究を進める
- Letter バックキャスト法
- 2.4 研究の出口
- 2.4.1 技術移転
- 2.4.2 間接的な貢献
- 2.4.3 「研究をまとめる」こと
- この章のまとめ
第3章 コミュニケーション
- 3.1 論文を書く
- Letter なぜ論文を書くか
- 3.1.1 論文のタイプと構成
- 3.1.2 英語論文を書く
- 3.2 プレゼンテーションする
- Letter 良いプレゼンテーション
- 3.2.1 文書性のあるスライド
- 3.2.2 練習、練習、練習
- 3.2.3 質疑応答
- 3.3 議論する
- 3.3.1 会議
- 3.3.2 オンラインのコミュニケーション
- 3.3.3 PFN Day
- 3.3.4 PFN Values Week
- 3.4 交渉する
- Letter 相手を理解すること
- 3.5 異文化コミュニケーション
- Blog 知の鎖国
- この章のまとめ
第4章 研究者のキャリア
- 4.1 研究分野を変える
- Letter Don't Settle for Anything
- 4.2 職種を変える
- Letter コンサルティング部門への出向にあたって
- 4.3 勤務先を変える
- 4.3.1 どの会社を選ぶか?
- 4.3.2 アカデミアの世界は?
- 4.4 学生時代に学んでおくこと
- 4.4.1 博士課程に進学すべきか
- 4.4.2 企業について知る
- 4.5 自分の市場価値を高める
- 4.6 人生を評価する
- 4.6.1 人生を評価する
- 4.6.2 子育てと研究
- 4.7 寄稿記事「それも1つの研究者人生」
- Essay
- この章のまとめ
第5章 リーダーシップについて
- 5.1 意思決定する
- Case 矢野君の場合
- 5.2 人を動かす
- Case 品質の呪縛
- 5.2.1 企業の理念
- 5.3 人を評価する
- Case 評価の季節
- 5.4 不確実性に対応する
- 5.5 スタッフの役割
- この章のまとめ
第6章 知財・契約・インテグリティ
- 6.1 知的財産権
- 6.1.1 特許権
- 6.1.2 著作権
- 6.1.3 商標権
- 6.1.4 営業秘密
- 6.1.5 企業と知財
- 6.1.6 研究者と知財
- 6.1.7 特許制度の問題点
- 6.2 契約
- 6.3 インテグリティ
- 6.3.1 研究者のインテグリティ
- 6.3.2 技術倫理
- 6.3.3 ビジネスのインテグリティ
- Case インテグリティ
- 6.3.4 セラノスの教訓
- この章のまとめ
第7章 私たちの研究開発はどこへ向かうか
- Blog 高次元科学への誘い