複雑ネットワークにおける最適化 超AI的な統計物理学アプローチ
2,530円 (2,300円+税)
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内容紹介
電力網や物流、サプライチェーン、インターネットやSNSの流行など、現代社会は複雑に絡み合ったネットワークによって支えられていると言っても過言ではありません。このようなつながり構造を、物理学やコンピュータ科学あるいは社会学を基礎として解析していくのがネットワーク科学です。本書は複雑ネットワークの最適化に費やしてきたこれまで研究成果をできるだけ包括的に紹介しつつ、創世記からの進展も分かるように編集された貴重な1冊です。
書誌情報
- 著者: 林 幸雄
- 発行日: 2023-02-24 (紙書籍版発行日: 2023-02-24)
- 最終更新日: 2024-07-12
- バージョン: 1.2.0
- ページ数: 174ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: 近代科学社Digital
対象読者
ネットワーク,ノード,リンク,ランダムネットワーク,トポロジー,グラフネットワーク,グラフ,クラスタリング,最適化,規則的ネットワーク,ハブ,ネットワーク分析,NP困難に興味がある人
著者について
林 幸雄
1987年 豊橋科学技術大学大学院電気電子工学専攻修了、富士ゼロックス(株)システム技術研究所
1991年 国際電気通信基礎技術研究所ATR視聴覚機構研究所、人間情報通信研究所(出向)
1995年 博士(工学)京都大学
1997年 北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科助教授
2003年 文部科学省研究振興局学術調査官(併任)
2008年 科学技術振興機構さきがけ「知の創生を情報社会」領域アドバイザー(併任)
現 在 北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科/融合科学共同専攻教授
著書「Pythonと複雑ネットワーク分析」近代科学社(共著)、「自己組織化する複雑ネットワーク」近代科学社、「ネットワーク科学の道具箱」近代科学社(共著)、「情報ネットワーク科学入門」コロナ社(共著)、「噂の拡がり方」化学同人、「Networks ‒ Emerging Topics in Computer Science-」iConceptPress(共著)
目次
第1章 ネットワークの次数分布
- 1.1 現実の多くに共通するネットワーク構造
- 1.2 共通構造の生成規則:優先的選択
- 1.3 利己性の強弱による構造変化
- 1.4 逆優先的選択による平等化
第2章データ分析としての基礎
- 2.1 関係性データ分析について
- 2.2 ネットワークの中心性指標
- 2.3 媒介中心性の高速アルゴリズム
- 2.4 PageRank 中心性に関連する指標
- 2.5 拡散力のあるインフルエンサーの抽出
第3章 情報拡散の最大化
- 3.1 本章のあらまし
- 3.2 拡散の最大化はNP 困難
- 3.3 サンプル平均不要のメッセージ伝搬法
- 3.4 多数の種ノード選択
- 3.5 数値実験例
- 3.6 やや発展的な話題
第4章 高速な近似解法
- 4.1 本章のあらまし
- 4.2 統計力学的なCavity 法
- 4.3 最小VC 問題に対するサーベイ伝搬
- 4.4 平衡点の安定性解析
- 4.5 より一般的な自由エネルギー最小化
- 4.6 グラフィカルモデルの確率伝搬との相違
- 4.7 関連する別の話題
第5章 分断しにくい最適耐性
- 5.1 本章のあらまし
- 5.2 木構造になりにくいのが最適
- 5.3 しなやかな復活力:レジリエンスとは
- 5.4 攻撃に強い玉葱状構造の創発
- 5.5 構成的な結合耐性の強化
- 5.6 ランダムレギュラーグラフの最適性
第6章 災害や攻撃による破損後に役立つ代替経路
- 6.1 本章のあらまし
- 6.2 代替経路の数え上げも難問
- 6.3 経路和行列と全正値性
- 6.4 非交差経路の組合せ数の近似計算
- 6.5 数え上げの実験例
- 6.6 関連する話題
付録A いくつかの式の導出
- A.1 BA モデルの次数分布の別解法
- A.2 有限グラフの伊原Zeta 関数
- A.3 頑健性の解析
- A.4 短い閉路の計数法
- A.5 固有値の摂動
- A.6 グラフ分割のスペクトル法