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内容紹介
第3次AIブームが起こり、現在はAIの活用に関心が移りつつある。著者らはHAI(ヒューマンエージェントインタラクション)と呼ばれる、擬人化エージェント(ロボットやAI)と人間の相互作用を研究しており、本書ではこのHAI研究を通じてAIにココロを持たせる(持っているように思わせる)デザインとその効果をわかりやすく解説している。
マインドインタラクションは著者の造語で、人と人工物が持つココロの間でやり取りされる情報、と定義されている。1章でマインドインタラクションを概説し、2章と3章では身近な諸問題—生活環境の不満や課題、対人関係のストレスやトラブル—などを、擬人化エージェントを使って改善・効率化する事例を述べている。
社会科学、認知心理学、社会心理学、哲学などの幅広い知識を用いて説明しているものの、平易な本文かつ会話調の脚注を組み合わせて、一般的なビジネス書と同列で読める内容となっている。
書誌情報
- 著者: 山田 誠二, 小野 哲雄
- 発行日: 2019-09-01 (紙書籍版発行日: 2019-09-01)
- 最終更新日: 2019-09-01
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 213ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: 近代科学社
対象読者
AI,人工知能,情報社会,心,ロボット,マシン,機械,インタラクション,擬人化エージェント,対人関係,ストレス,トラブル,社会科学,認知心理学,社会心理学,哲学に興味がある人
著者について
山田 誠二
1984年 大阪大学基礎工学部制御工学科卒
1989年 大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了
1989年 大阪大学基礎工学部助手
1991年 大阪大学産業科学研究所講師
1996年 東京工業大学大学院総合理工学研究科助教授
2002年 国立情報学研究所教授
現在にいたる.工学博士.
専門分野は,HAI ヒューマンエージェントインタラクション,人工知能,インタラクティブ機械学習.著書に『本当は,ずっと愚かで,はるかに使えるAI』(日刊工業新聞社),『人とロボットの<間>をデザインする』(監著,東京電機大学出版局),『人工知能の基礎(第2版)』(共著,オーム社)など.
小野 哲雄
1997年 北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了
同年 (株)ATR 知能映像通信研究所客員研究員
2005年 公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科教授
2009年 北海道大学大学院情報科学研究院教授
現在にいたる.博士(情報科学).
専門分野は,ヒューマンエージェント/ロボットインタラクション(HAI/HRI),コミュニケーションロボット,環境知能システム,認知情報科学.著書に『人とロボットの<間>をデザインする』(共著,東京電機大学出版局),分担執筆として『人工知能学事典』(共立出版),『ロボット情報学ハンドブック』(ナノオプトニクスエナジー),『ロボット工学ハンドブック』(コロナ社)など.
目次
第1章 マインドインタラクション
- 1-1 どうも上手くいかないな—身近にある諸問題
- 1-2 マインドインタラクション
- 1-3 HAIヒューマンエージェントインタラクション
- 1-4 人工知能AI—機械学習を中心に
- 1-5 擬人化
- 1-6 メディアの等式
- 1-7 エモーショナル・デザイン
第2章 人とモノのマインドインタラクション
- 2-1 飽きないインタラクション
- 2-2 モノへの愛着と畏敬
- 2-3 人はコンピュータに従うのか
- 2-4 マシンの気持ちがわからない
- 2-5 空気を読むロボット—コミュニケーション空間の賢い利用
- 2-6 人にやさしいマシン
- 2-7 ナッジエージェント—人々を幸福へと導くささやかな仕組み
- 2-8 AIロボットってガッカリなんですけど
- 2-9 ITACOエージェント—家電に“憑依”するエージェント
- 2-10 プラクティカル・マジック—理由が付けば安心
第3章 人と人のマインドインタラクション
- 3-1 上司や先生と上手くいかないという普遍的な悩み
- 3-2 いじめや差別の問題とマインドインタラクション
- 3-3 バランス理論—ロボットが人間関係を壊してしまう
- 3-4 面と向かって注意されるのはいや—オーバーハードコミュニケーション
- 3-5 ロボットミーム—ロボットの癖がいつの間にか人に伝染しちゃう?
- 3-6 人から人に情動が伝染
- 3-7 エージェントを介した人と人のマインドインタラクション