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内容紹介
なによりも生きること !
本書は、死の淵から生還した産業医・IT研究者みずからが、その実体験と克服手法を、具体的かつ論理的に説いていく。重度のメタボリックの果てに著者みずからにおきた心臓発作を、遠のく意識のなか医学的知識を基に心筋梗塞と判断し、助けを求めたエピソードなどは、まさに圧巻である。
前半では、IT技術者が日頃接している用語で健康について学べるよう、分かりやすく解説していく。後半では、優秀なIT技術者ゆえの過労死、神経障害をいかにしてなくすか、会社組織としての対応方法を、ITを知り尽くした産業医としての立場から考えていく。
みずからの体調管理が必須な技術者や、労務管理、プロジェクト管理、経営者には、必読必携の書である。
書誌情報
- 著者: 一般社団法人情報通信医学研究所(編), 長野 宏宣, 中川 晋一, 蒲池 孝一, 櫻田 武嗣, 坂口 正芳, 八尾 武憲, 衣笠 愛子, 穴山 朝子(編著)
- 発行日: 2016-07-08 (紙書籍版発行日: 2016-06-28)
- 最終更新日: 2016-07-08
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 224ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: 近代科学社
対象読者
産業医学, 過労死, 神経障害,体調管理, 労務管理, プロジェクト管理に興味のある方
著者について
一般社団法人情報通信医学研究所
長野 宏宣
1945年熊本県出身.1970年九州工業大学電子工学科卒.電電公社(現NTT)入社,電気通信研究所データ通信研究部を経て,NTT分割後,恐らく世界でも初めての事例とされる5000人が従事する通信ソフトウェア生産環境をインターネット技術により全国展開した.NTTコムウェア(株)取締役を最後に現役引退し,2011年(一社)情報通信医学研究所設立に参画,同理事.趣味:ゴルフ,男声合唱等.
中川 晋一
1961年滋賀県出身.1988年滋賀医科大学卒,1996年京都大学博士(医学),2010年東京工業大学博士(学術).ヴォーリズ記念病院内科医員,国立がんセンター研究所研究員,郵政省通信総合研究所次世代インターネットグループリーダー,(独)情報通信研究機構上席研究員などを経て,2011年より(一社)情報通信医学研究所代表理事・所長,並びに都内IT企業の専属産業医として勤務.専門:情報通信医学,衛生学,内科学.趣味:写真,ゴルフ.
蒲池 孝一
1947年愛知県出身.1970年横浜国立大学経済学部卒.公認会計士・地方監査会計技能士・税理士.1970年神戸製鋼所入社,建機統括部長,海外部長,企画部部長,コベルコシステム(株)営業企画部長,震災復興本部部長などを歴任.2000年同社退社し「公認会計士蒲池孝一事務所」開所.その後(株)フェアウェイソリューション専務取締役,(独)情報通信研究機構特別研究員など歴任.現在日本ラッド株式会社社外監査役,システム監査学会会計システム専門監査人,経営管理学会会員.内部統制監査,システムレビュー,公会計支援業務,事業再生支援業務等に従事.2011年より(一社)情報通信医学研究所理事.趣味:iPhoneアプリ開発.
櫻田 武嗣
1975年秋田県出身.1998年東京農工大学卒,2003年同大学大学院博士後期課程修了.博士(工学).郵政省(総務省)通信総合研究所研究員を経て,東京農工大学講師並びに慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科附属メディアデザイン研究所所員.2015年より(一社)情報通信医学研究所理事.専門:ヒューマンインタフェース,情報システムの運用管理.趣味:電子工作,吹奏楽.
坂口 正芳
1972年大阪府出身.1998年滋賀医科大学卒,2006年滋賀医科大学博士(医学).第二岡本総合病院腎臓内科医師,滋賀医科大学腎臓内科医員などを経て,2011年より(一社)情報通信医学研究所主幹研究員,2014年より坂口クリニック院長(豊中市).専門:内科学(糖尿病,腎臓),透析.趣味:紅茶,読書.
八尾 武憲
1974年大阪府出身.2000年滋賀医科大学卒,2005年滋賀医科大学博士(医学).滋賀医科大学附属病院循環器内科医員,岡村記念病院循環器内科不整脈センター長を経て,2011年より(一社)情報通信医学研究所主幹研究員(兼任).現在は京都岡本記念病院循環器内科医長を主として,草津総合病院,国保日高総合病院等の非常勤医師を併任.不整脈専門医としてカテーテル治療,デバイス手術を積極的に行っている.専門:内科学(循環器内科,不整脈),医療情報学.趣味:水泳,スキー.
衣笠 愛子
京都府出身.1998年滋賀医科大学卒.精神保健指定医,日本精神神経学会精神科専門医,日本医師会認定産業医.1998年から京都府立医科大学附属病院精神科,北山病院(京都市)などでの研修を経て,佐野サナトリウム(神戸市),長谷川病院(三鷹市)などに勤務し,2011年からは精神科臨床や産業保健などに幅広く携わっている.2011年より(一社)情報通信医学研究所主幹研究員.趣味:歌,水泳.
穴山 朝子
福岡県出身.1991年お茶の水女子大学文教育学部卒,2006年お茶の水女子大学博士(人文科学).同大大学院助手,ドイツ・レーゲンスブルク大学客員研究員,国立高専機構津山工業高等専門学校講師を経て,2014年より(一社)情報通信医学研究所主幹研究員.横浜国立大学,放送大学でも教鞭をとる他,公益社団法人日本アマチュアオーケストラ連盟理事.専門:ドイツ近現代史,文化政策学,アーツマネージメント.趣味:オーケストラ演奏.
目次
はじめに
第1章 IT企業における産業医学
- 1.1 はじめに
- 1.2 実際のIT企業の業務内容
- 1.3 IT企業における産業医学臨床の実際
- 1.4 まとめ
第2章 IT技術者と健康
- 2.1 IT 技術者の健康リスク
- 2.2 IT 技術者のサバイバルのために
- 2.3 代謝性疾患
- 2.4 心血管系疾患
- 2.5 メンタル・ヘルス
- 2.6 がんと闘う
- コラム情報処理学的観点から見た“がん”
第3章 わが国のIT 産業の実態
- 3.1 ホワイトorブラック
- 3.2 統計にみるIT 産業
- 3.3 ストレスを感じる割合と余暇
- 3.4 IT 技術者は本当に休めているのか?
- 3.5 労災にみるIT 業界
- 3.6 職場での対策はどこまで行われているのか?
- 3.7 統計から浮かび上がるIT 技術者の群像
第4章 IT産業の技術者を大切にする ―適切な開示制度を
- 4.1 技術者の健康
- 4.2 従業員の健康と企業の価値
- 4.3 IT 産業の価値源泉
- 4.4 経営者責任
- 4.5 望まれる開示
- 4.6 《補遺》予想される批判に対して
- コラム萩野純一郎君について
第5章 IT 企業の未来について
- 5.1 わが国のIT 産業の弱点と今後の在り方
- 5.2 期待されるビジネスモデルと展望
- 5.3 クラウド化によるIT 産業構造の変化に向けて
- 5.4 大企業は滅びるのか?
- 5.5 健全な経営は健康な体質と健全な環境がはぐくむ