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内容紹介
話し相手になる機械、心を持った人工物。その登場を人類は古代から絶えることなく渇望してきました。コンピュータと人工知能の技術が進むにつれ、それらはいよいよ現実になるかと人々を熱狂させています。しかし、これまでのところ人工知能の研究は、心を持ち人間と交流できる存在を生み出せてはいません。本書は、99年に「人工無脳は考える」という考察サイトを立ち上げ、以来17年に亘りユーザーと雑談するという複雑な精神活動を極めて単純なアルゴリズムで実現しようとする“人工無脳”の研究に取り組んできた著者による、科学・非科学の壁に囚われることなく想像力豊かに、人とコンピュータとの会話について考察する書籍です。
本書では、簡単なPerlプログラミングを習得した読者を対象に、人工無脳の歴史と日本語の人工無脳で代表的な辞書型人工無脳とログ型人工無脳のアルゴリズムを分かりやすく説明した後、どのようにして人工無脳の会話の質を高めるかを、実際に人工無能を改良しながら検証していきます。最終章では行動心理学を最初の足がかりとして、初期の仏教や潜在意識の世界に踏み込み、心のメカニズムについて述べた知見を紹介。それらを人工無脳的に解釈し、システムを考えた最初のステップも紹介します。
書誌情報
- 著者: 加藤 真一
- 発行日: 2016-08-24 (紙書籍版発行日: 2016-08-24)
- 最終更新日: 2016-08-24
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 184ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: ラトルズ
対象読者
著者について
加藤 真一
高校時代にPC上で動く人工無脳に出会い、面白さとともに限界を感じる。大学時代に「人工無脳は考える」を立ち上げ考察を試みるもほとんどなすすべなし。結婚後、奥さんと共に人の深層心理を学ぶ機会を得る。さらに両親との人間関係を見つめ直す経験を経て、すべては人工無脳研究の糧であったと考えるようになる。大学では化学・無機材料系を専攻し博士号を取得。現在株式会社村田製作所勤務。業務は人工無脳とまったく関係ない。
目次
Chapter 1 深くて広い人工無脳研究の世界
- 1.1 人工無脳は言葉とハートを少しずつ
- 1.2 会話の相手になる機械
- 1.3 科学と非科学の間に立つ人工無脳研究
- 1.4 本書の構成
Chapter 2 歴史
- 2.1 概説
- 2.2 汎用コンピュータの時代(1950-1980年)
- 2.3 スタンドアロンPCの時代(1980-1995年近傍)
- 2.4 ネットワーク化時代 (1995-2005近傍)
- 2.5 SNS・クラウドの時代 (2005-2010)
- 2.6 人工知能技術商業化の時代(2011~)
Chapter 3 開発環境と日本語対応
- 3.1 Cygwinとperlのインストール
- 3.2 apacheの設定
- 3.3 PerlでのUTF-8対応
- 3.4 正規表現
Chapter 4 人工無脳を作る
- 4.1 STAGE1:基本の人工無脳
- 4.2 STAGE2:雑談のスタンス
- 4.3 STAGE3:エピソード記憶の再生
- 4.4 エピソード記憶の再現
Chapter 5 心のかけら
- 5.1 行動心理学者たちの心のモデル
- 5.2 2500年間生き残ってきた心のモデル
- 5.3 恐れと愛と