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内容紹介
●こういう人向けの本です
・インタビューは初めて、イチから知りたいという人
本書では最初に知っておきたい基礎的な知識から、順に解説しています!
・インタビューは経験あり、もっと上手になりたいという人
失敗を防ぐ方法、インタビューに際しての心構え、何かあったときの対処法など、役立つ実践的なノウハウをいろいろと盛り込んでいます。
・プロジェクトを管轄する立場の人
インタビューの「計画」や「考察・分析」のフェーズについても詳しく解説しています。ユーザーを知るために、どのタイミングで、どういう内容のインタビューをしたらよいか、などを検討する際に役立つ内容です。
●内容構成
「はじめに」はインタビュー入門として、特長や効果、どういう姿勢で臨むべきか、など基本的な内容を解説しています。
Chapter 1は「計画」。目標の設定の仕方、計画表のつくり方、質問と流れの設計などを説明しています。
Chapter 2は「準備」。参加者を集めるリクルーティングの手順と注意点、事前アンケートのつくり方を解説。さらに、会場でインタビューを行うときのセッティングや感染予防策、オンラインインタビューの場合に重要となる機材の選定方法やセッティングなど、ノウハウを詰め込んであります。
Chapter 3は「実施」。インタビューの成否を分ける“場”づくり、舵取り、語りの引き出し方、そして深掘りまで、インタビューを効果的なものにするためのノウハウとワザを紹介しています。オンラインインタビューの際に気をつけなければならない対人コミュニケーションの注意点も取り上げているほか、さらなる上達を目指す中上級者向けに、メタ認知や共感力を上げることの重要性とふり返りの意義についての解説を。
Chapter 4は「考察」。インタビューで集めたデータを分析し、考察するときの考え方、手順、まとめ方を解説しています。
Appendixで、本書で紹介している3つのタイプのインタビューを、新規サービス開発の中で使い分ける様子を示す活用例を紹介。インタビュー調査を含むプロジェクトの様子をイメージする助けになれば幸いです。
他にも、インタビューの計画書のサンプル、インタビューガイドのサンプルを掲載し、さらに著者作成のインタビューテンプレート(インタビュー実施時に使える記入シート)を用意。読者の方も活用できますので、ぜひこれらテンプレートを使って、みなさんのインタビューをよりよいものにしてください。
●備考
本書は『マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書』(2015/5、マイナビ出版)を基に、現在の状況に合わせて大幅に内容を加筆・修正した改訂新版です。
書誌情報
- 著者: 奥泉 直子, 山崎 真湖人, 三澤 直加, 古田 一義, 伊藤 英明
- 発行日: 2021-09-24 (紙書籍版発行日: 2021-09-24)
- 最終更新日: 2021-09-24
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 272ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF
- 出版社: マイナビ出版
対象読者
著者について
奥泉 直子
フリーランスのユーザーリサーチャー。
小樽商科大学卒。中京大学情報科学研究科認知科学専攻、修士課程通信教育課程修了。業界や国内外を問わず、さまざまな商品やサービスの開発や改善を目指すものづくりのプロジェクトに数多く従事。また、人間の認知特性を踏まえて調査に臨むことの意義とそのためのノウハウを伝える講義やセミナーの講師を務め、後輩の育成と指導にも積極的に関わる。
訳書に『Webサイト設計のためのデザイン&プランニング』(2012, マイナビ出版)、『ローリーとふしぎな国の物語』(2017, マイナビ出版)、共著書に『HCDライブラリー第7巻 人間中心設計における評価』(2019, 近代科学社)、著書に『ユーザーの「心の声」を聴く技術』(2021, 技術評論社)などがある。
山崎 真湖人
慶應義塾大学 大学院システムデザイン・マネジメント研究科 特任助教。フリーランス デザインリサーチャー。
東北大学文学研究科 博士前期2年課程修了(心理学)、慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科 修士課程修了(SDM学)。株式会社リコー、アドビシステムズ株式会社、株式会社ziba tokyo、株式会社NTT DATAで研究開発、人間中心設計推進、ユーザーリサーチ、サービスデザイン等の業務を経験した後、2018年より現職。観察やインタビューなどの調査からインサイトを得てアイデアを見つけ、商品デザインや店舗での顧客体験設計、ブランディング、技術戦略策定などに着地させるコンサルティングを様々な業種の企業に提供。調査やアイデア発想を含む新価値創造のプロジェクトを設計し、多様な関係者による協創のアプローチで遂行する。
IPA ソフトウェア開発技術者(2001年)。『改訂版 J検情報デザイン完全対策公式テキスト』(2014, 日本能率協会マネジメントセンター)執筆担当。『デザイニング・フォー・サービス “デザイン行為”を再定義する16の課題と未来への提言』(2019, サウザンブックス社)共訳。日本デザイン学会 情報デザイン研究部会相談役。
三澤 直加
株式会社グラグリッド 代表取締役 / ビジョンデザイナー/サービスデザインコンサルタント
金沢美術工芸大学プロダクトデザイン専攻卒業。企業の事業戦略に伴走するデザイナーとして、多くの質的調査とサービスデザインのディレクションを手掛ける。複雑な課題をよみときコンセプトを立案、ビックピクチャーを描くことで革新的な組織変革をサポートする。また、クリエイティブなを組織文化を醸成するため、創造性開発メソッドの研究開発、協創コミュニティの企画運営なども積極的に行う。
金沢美術工芸大学 デザイン方法論 非常勤講師、著書に『ビジュアル思考大全 問題解決のアイデアが湧き出る37の技法』(2021, 翔泳社)、共著書に『書いて使う 会議を変えるノート 』(2017, マイナビ出版)、『描いて場をつくるグラフィック・レコーディング: 2人から100人までの対話実践』(2021, 学芸出版社)がある。
古田 一義
中京大学心理学科卒、同情報科学研究科認知科学専攻修了。
株式会社ノーバス(現U'eyes Design)を経て、現在はフリーランスのユーザビリティスペシャリストとして活動。生来のガジェット好きが高じて、様々な製品に触れられるこの職業を選び、モバイル機器、車載機器、ソフトウェア、Web サイト、産業機器などあらゆるジャンルのユーザビリティ評価を経験。最近はそのノウハウを多くの人に広めるべく、産業技術大学院大学の社会人向け履修証明プログラム『人間中心デザイン』や特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)のセミナー「ユーザビリティ評価」など各所でユーザーテスト演習の講師を務める。
共著書に『HCDライブラリー第7巻 人間中心設計における評価』(2019, 近代科学社)がある。
伊藤 英明
株式会社ヴァル研究所 MaaS事業部 UXデザイナー
東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻修士課程修了(芸術学)。2004 年株式会社ノーバス(現U'eyes Design)に入社。2014 年より現職。ユーザーエクスペリエンスデザイン、人間中心設計のスペシャリストとして、その啓蒙と実践、および事業開発業務に従事。
NPO 法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)評議員会、東京造形大学デザイン学科 メディアデザイン専攻領域 非常勤講師。共著書に『HCD ライブラリー第3 巻 人間中心設計の国内事例』(2014, 近代科学社)がある。
目次
Introduction はじめに
- 0.1 インタビューの特長と効果
- 0.1.1 インタビュー調査の特長
- 0.1.2 インタビューの効果
- 0.1.3 インタビューの制約と回避策
- 0.2 インタビューにのぞむ姿勢
- 0.2.1 インタビューの相手に敬意をはらう
- 0.2.2 科学的な姿勢でのぞむ
- 0.2.3 言葉に関する精度を高める
- 0.2.4 興味を持ってインタビューを楽しむ
- 0.2.5 論理・感情・身体のすべてを使う
- 0.2.6 インタビューのその先を考える
- 0.2.7 創造的に考える
- 0.3 インタビューのタイプ
- 0.3.1 機会探索型
- 0.3.2 タスク分析型
- 0.3.3 仮説検証型
Chpater1 計画
- 1.1 インタビューの計画
- 1.1.1 目的を設定する
- 1.1.2 参加者の属性を決める
- 1.1.3 計画書を作成する
- 1.2 質問と流れの設計
- 1.2.1 質問を設計する
- 1.2.2 インタビューガイドをつくる
- 1.3 タイプごとのインタビュー
- 1.3.1 機会探索のインタビューを設計する
- 1.3.2 タスク分析のインタビューを設計する
- 1.3.3 仮説検証のインタビューを設計する
Chpater2 準備
- 2.1 インタビューの参加者を集める“ リクルーティング”
- 2.1.1 参加者の募集方法を決める
- 2.1.2 スクリーナーを作成する
- 2.1.3 Webアンケート配信と参加者の選定
- 2.1.4 オンラインインタビューの場合のリクルーティング
- 2.1.5 直前に起こり得るトラブルと対処法
- 2.2 会場インタビューの場合のセッティング
- 2.2.1 インタビューを行う場所を決める
- 2.2.2 会場における感染対策
- 2.2.3 録音・撮影機材を準備する
- 2.3 オンラインインタビューの場合のセッティング
- 2.3.1 オンラインインタビューの特徴と制約
- 2.3.2 オンラインインタビューのための配信技術
- 2.4 他に準備すべきもの
Chapter3 実施
- 3.1 気持ちよく話せる“ 場” をつくる
- 3.1.1 “場”をつくるのに重要な“ラポール”とは
- 3.1.2 ラポールづくりの基本の基
- 3.1.3 ラポールを固めるための二の矢三の矢
- 3.1.4 ラポールが崩れる要因と立て直し方
- 3.2 柔軟に舵を取る
- 3.2.1 舵取りを楽にするのもラポール
- 3.2.2 舵取りのためのインタビューガイド活用法
- 3.2.3 誘導と舵取りの境い目
- 3.2.4 舵取りがうまくいかないときの対処法
- 3.3 語りを引き出す
- 3.3.1 質問の基本
- 3.3.2 深掘りの基本
- 3.3.3 深掘りアンテナの使い方
- 3.3.4 深掘りアンテナのさらなる使い方
- 3.4 上達のヒント
- 3.4.1 場数を踏むことよりもメタ認知できるようになることを目指す
- 3.4.2 相手の心の中に入り込んで感じ、経験する
- 3.4.3 ふり返りを行って“ 次” に備える
Chpater4 考察
- 4.1 機会探索における考察
- 4.1.1 目的
- 4.1.2 方法
- 4.2 タスク分析における考察
- 4.2.1 目的
- 4.2.2 方法
- 4.3 仮説検証における考察
- 4.3.1 目的
- 4.3.2 方法
- 4.4 報告と共有
- 4.4.1 形式を整える
- 4.4.2 素早く報告する
- 4.4.3 わかりやすい言葉を練る
- 4.4.4 ダイアグラムを使う
- 4.4.5 参加者の生の声・写真を活かす
Appendix
- A.1 インタビュー活用の例
- A.1.1 機会探索
- A.1.2 タスク分析
- A.1.3 仮説検証
- A.2 インタビュー調査 計画書
- A.3 インタビューガイド
- A.4 インタビュー テンプレート
- A.5 参考文献