大学IR標準ガイドブック インスティテューショナル・リサーチのノウハウと実践
2,420円 (2,200円+税)
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内容紹介
IRとは何でしょうか。
第一に、IRは「教育機関の」意思決定を支援する活動と位置付けられています。違う言い方をすれば、個々の学生や教職員を支援するのではなく、組織体としての教育機関、あるいはその部局の意思決定を支援します。学生や教職員は、間接的な受益者になります。第二に、IRは業務であると同時に研究であるということです。リサーチという言葉の二面性(調査・研究)も2つの意味を持つ原因の1つですが、日米ともにデータの分析・可視化を中心とした業務が先行している一方で、IR担当者による学術研究成果の発表や理論構築も行われるという現状は広く認識されています。
本書では、IRの組織、制度、実際に分析作業をするときの留意点などに注目し、基本的なノウハウの共有やテクニカルな課題解決に資することを目指しています。本書の読者として想定されているのは、高等教育機関のIR担当者ですが、それ以外にも学部や研究支援関係のデータを扱う部署の職員、大学経営に携わる方にも目を通していただきたい部分が多々あります。IRのノウハウを知ることは、エビデンスベースあるいはエビデンスインフォームドによる意思決定への第一歩です。
本書の内容は、大学IRの必要性(第1章)から、組織の立ち上げ(第2章)、ルールの整備(第3章)、データ収集と公表(第4章)、「使える」データにするために必要なこと(第5章)、データ分析の入り口(第6章)、そしてIR活動の推進(第7章)と、最初から順番に読み進めることで、IR組織の立ち上げからIR活動を軌道に乗せるまでに必要なことや、具体的な取り組みのイメージをつかめるようになっています。
書誌情報
- 著者: 日本IR協会, 塚本 浩太, 井芹 俊太郎, 近藤 伸彦, 松田 岳士
- 発行日: 2022-05-13 (紙書籍版発行日: 2022-05-13)
- 最終更新日: 2022-05-13
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 266ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: インプレス NextPublishing
対象読者
認証評価制度,国公私補助金,国立大学法人運営費補助金,私立大学等経常費補助金制度,私立大学等改革総合支援事業,世界大学ランキング,IRオフィス機能,IRデータ取扱い,IR指標,データクレンジング,JAIR,MJIR,教学IR,在学率,卒業率,エンロールメント・マネジメント,ファシリティマネジメント,大学設置基準,学校教育法,学士課程答申に興味がある人
著者について
日本IR協会
日本インスティテューショナル・リサーチ協会は、インスティテューショナル・リサーチに関する研究および実践について協力体制を組織し、国内及び海外におけるインスティテューショナル・リサーチ研究者・実践者や関係団体との交流と、研究および実践成果の普及を行い、もってインスティテューショナル・リサーチ活動の質向上に寄与することを目的としている。
塚本 浩太
国際基督教大学研究戦略支援センター/IRオフィス 事務職員 修士(経済学)
井芹 俊太郎
神田外語大学 教育イノベーション研究センター 専任講師 修士(政策学・教育学)
近藤 伸彦
東京都立大学大学教育センター准教授 博士(情報科学)
松田 岳士
東京都立大学・大学教育センター教授、教学IR推進室 教学IRデータ管理・分析部門長 博士(国際コミュニケーション)
目次
第1章 大学IRとは、なぜいま求められているか
- 1.1 IRの概要
- 【コラム①】IRと称さないIR活動は存在するのか?
- 1.2 日本の大学のIRを巡る政策
- 1.3 認証評価対応
- 1.4 国公私補助金の要件
- 1.5 国立大学法人運営費補助金・評価
- 1.6 私立大学等経常費補助金制度の要件
- 【コラム②】私立大学等改革総合支援事業に関する国会答弁
- 1.7 世界大学ランキング
- 【コラム③】世界大学ランキングあれこれ
第2章 どのようなIR組織を目指すか
- 2.1 IR組織の分類と役割
- 【コラム④】技術革新がもたらす分権型IR組織
- 2.2 3年後の目標
- 2.3 組織の立ち上げ
- 2.4 執行部との連携
- 2.5 事務組織との連携
- 2.6 教員組織との連携
- 2.7 システム構築時の考え方
- 【コラム⑤】公募情報から考えるIR担当の人材要件
第3章 ルールの整備
- 3.1 IR委員会機能に関するルール
- 3.2 IRオフィス機能のルール
- 3.3 IRデータ取扱いのルール
第4章 データ収集と公表
- 4.1 公表すべき情報とIR指標
- 4.2 データの収集
- 4.3 データ収集の仕組み
- 【コラム⑥】申請書を「決裁」することについて
第5章 使えるデータにするために
- 5.1 使えるデータにするために
- 5.2 同意説明
- 5.3 データクレンジング
- 5.4 データベース、データウェアハウス
- 5.5 セキュリティ対策
第6章 データ分析の入り口
- 6.1 データ分析の入り口
- 6.2 ダミーデータセット
- 6.3 分析ツールの紹介
第7章 IR活動の推進
- 7.1 ルールの周知
- 7.2 IR活動の推進
- 7.3 JAIR
- 7.4 MJIR
- 【コラム⑦】IRによる意思決定への心理的障壁