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内容紹介
●技術知識がなくても読める本格的なAI史
本書は英オックスフォード大学のコンピュータサイエンス研究者マイケル・ウルドリッジ教授による、AI(人工知能)の一般向け解説書です。AIは高度なコンピュータ技術であり、その実像を技術レベルで理解することは容易ではありません。しかし、本書は技術的知識がなくても、コンピュータの歴史を通じて、AI の技術的な概念や意義について正しい理解ができるように工夫されています。
●AIの歴史とディープブレイクスルー
本書の前半ではコンピュータ技術の黎明期から続く人工知能の研究の歴史を振り返ます。チューリングマシンと言われる思考実験上の機械から、コンピュータ技術の開発史に触れ、人工的な知能を作り出すためのさまざまなアプローチを紹介します。また、21世紀におけるディプラーニングの登場やそれらがなぜ大きなブレイクスルーをもたらしたのかについても触れます。後半ではAIの可能性やそれがもたらす社会の変化、注意すべき事象や将来の姿について考察をめぐらしていきます。
●本当のAIの姿を知る
AIがどのように開発され、どのような状況にあり、将来どのような姿になるのか、そして人間は本当に「意識のある機械」を作れるのか?本書はAIを知り、それを有効に活用するための必読の入門書です。
書誌情報
- 著者: Michael Wooldridge(著), 神林 靖(訳)
- 発行日: 2022-03-18 (紙書籍版発行日: 2022-03-18)
- 最終更新日: 2022-03-18
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 328ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: インプレス
対象読者
コンピュータエンジニア(サーバーエンジニア/インフラエンジニア/アプリケーション開発者)、⼈⼯知能にかかわりのあるビジネスパーソン、コンピュータサイエンスを学ぶ学⽣や⼤学などの研究者
著者について
Michael Wooldridge
西ヨークシャー・ウェイクフィールド生まれ。オックスフォード大学教授。リバプール大学を経て2012年より現職。マルチエージェントシステム、計算論理、ゲーム理論に興味をもつ。マンチェスター大学でコンピュータ科学の博士号を取得。ACMとAAAIのフェローであり、人工知能に関して400編を越える論文を発表している。
神林 靖
東京都千代田区生まれ。日本工業大学情報メディア工学科准教授。慶應義塾大学、早稲田大学、法政大学講師。計算理論と分散システム、そして政治科学に興味をもつ。三菱総合研究所を経て2001 年より現職。慶應義塾大学より政治学の学士号を、ワシントン大学よりコンピュータ科学の修士号を、そしてトレド大学より博士号を取得。
目次
はじめに
Part I AIとは何か
1 チューリングの電子頭脳
- 1.1 1935年ケンブリッジ
- 1.2 実際に電子頭脳は何を成し遂げたか
- 1.3 AIはなぜ困難なのか
- 1.4 チューリングテスト
- 1.5 チューリングテストナンセンス
- 1.6 さまざまな人工知能
- 1.7 チューリングテストを越えて
- 1.8 汎用AI
- 1.9 頭脳か精神か
Part II これまでの道のり
2 黄金時代
- 2.1 AIの最初の夏
- 2.2 分割して征服せよ
- 2.3 SHRDLUとブロックの世界
- 2.4 ロボットSHAKEY
- 2.5 問題解決と探索
- 2.6 AIは複雑さの障壁に衝突する
- 2.7 錬金術としてのAI
- 2.8 黄金時代の終焉
3 知は力
- 3.1 ルールによって人間の知識を獲得する
- 3.2 MYCIN:エキスパートシステムの古典
- 3.3 ブームの再来
- 3.4 論理ベースのAI
- 3.5 論理としてのプログラム
- 3.6 Cyc:究極のエキスパートシステム
- 3.7 瑕疵出現
4 ロボットと合理性
- 4.1 ブルックスの革命
- 4.2 行動主義AI
- 4.3 エージェントベースのAI
- 4.4 HOMER:完全なエージェント
- 4.5 AIアシスタント
- 4.6 合理的な行動
- 4.7 不確実性に対処する
- 4.8 SiriがSiriに出会ったら
- 4.9 AIは成熟した
5 ディープブレイクスルー
- 5.1 機械学習の概要
- 5.2 パーセプトロン - ニューラルネット・バージョン1 -
- 5.3 コネクショニズム - ニューラルネット・バージョン2 -
- 5.4 ディープラーニング - ニューラルネット・バージョン3 -
- 5.5 ディープマインド
- 5.6 汎用AIに向かうのか
- 5.7 巨大な分裂
Part III これからの道のり
6 AIの現在
- 6.1 医療におけるAI
- 6.2 無人運転車
7 どのような問題が考えられるか
- 7.1 シンギュラリティは戯言
- 7.2 アシモフについて話そう
- 7.3 トロリー問題について語ることの不毛
- 7.4 倫理的AIの勃興
- 7.5 何を望むか慎重でなければならない
8 どのような問題が起きそうか
- 8.1 雇用と失業率
- 8.2 アルゴリズムによる疎外と労働の質的変化
- 8.3 人権
- 8.4 殺人ロボット
- 8.5 アルゴリズムの偏向
- 8.6 多様性(の欠如)
- 8.7 フェイクニュース
- 8.8 フェイクAI
9 意識をもつマシンへの道
- 9.1 意識、心、さまざまな神秘
- 9.2 強いAIは不可能なのか
- 9.3 心と身体
- 9.4 社会的脳
- 9.5 意図的スタンス
- 9.6 マシンは信念や欲望をもちえるか
- 9.7 意識をもつマシンに向けて
- 9.8 それはわれわれに似ているか