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内容紹介
本書は、長らくアップデートが途絶えていた「初歩からわかるAndroid最新プログラミング」を土台にし、最新のAndroidプログラミング環境に適合するための改訂と加筆、大幅な書き換えを施したものです。特に1〜2章の開発ツールに関する部分は、執筆時点での最新のバージョン、Android4.4 KitKatの登場を踏まえて解説しています。3章で扱うAndroidアプリケーション開発についての基礎部分は、Androidのバージョンにそれほど影響を受けない、比較的普遍的な内容を取り上げています。それでも、最新バージョンと不整合が生じないように、適宜改訂しています。4章以降の本格的なアプリケーションプログラミングの実習部分は、必ずしも最新バージョンに特有の内容を扱っているわけではありませんが、最新バージョンのSDKでビルドでき、最新のプラットフォーム上で動作が可能なことを確認しています。
Androidは、現在地球上で開発が進んでいるアプリケーションプログラミング環境の中で、最も進化の速度が速いものの1つです。そしてその速度は、近年ますます加速される傾向にあります。ほとんど半年か数カ月に1度、比較的大きなバージョンの改訂が加えられています。これは、ほぼ1年に1度、大きなアップデートを繰り返すライバルのiOSよりも速いペースとなっています。それに加えてAndroid開発ツールのアップデートは、SDKの大きな変更に合わせ、あるいはそれとは独立して、これも急ピッチで進行しています。さらに、2013年のGoogle I/Oでは、これまでのEclipseベースのものとは異なる新たなアプリケーション開発環境「Android Studio」も発表されました。これも正式バージョンに向けて急速に進化を続けています。なお本書では、このAndroid Studioについても、可能な限り最新の情報に基づいて、インストール方法、使い方を一通り解説しています。
こうした開発環境の変化は、アプリケーションに新たな機能を提供し、プラットフォームとしてのAndroidの可能性を拡張し続けています。これは開発者にとっても、新たなチャンスを切り開くきっかけを、常に提示し続けてくれるものでしょう。ただその一方で、常に最新の情報を把握し、新しい機能を使いこなすための技術を身に付けていくのは容易なことではありません。特にこれからAndroidアプリケーションの開発を始めようという人は、最新情報だけを追い求めていると、いつまでも地に足がつかない状態が続き、基礎的な部分の習得がおぼつかないということにもなりかねません。本書は、最新情報に目を向けつつも、基礎をおろそかにせず、Androidアプリケーション開発にとって重要なスキルを段階的に身につけられるように構成しています。本書が、Androidアプリケーションのプログラミングの世界踏み入れるための最初の道案内として、そしてそこからさらに先に進むための礎として、読者の役に立つことを願っています。
(「はじめに」より)
書誌情報
- 著者: 柴田文彦, 川口仁
- 発行日: 2014-01-07 (紙書籍版発行日: 2013-12-19)
- 最終更新日: 2014-01-07
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 512ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF
- 出版社: インプレス
対象読者
面白そうだから取りあえず作ってみたい! というAndroidアプリ開発の初学者が主要ターゲットです。Javaの知識が前提となるものの、サンプルコードなどを活用することで、動くものが簡単に作れるように工夫しています。ビジネスユースではなく個人的な趣味という側面が強く対象サンプルもゲームがメインとなっています。
著者について
柴田文彦
大学時代にApple IIに感化され、パソコンに目覚める。8ビットパソコン時代、1981年ごろから月刊I/O誌、月刊ASCII誌に自作プログラムの解説などを書き始める。その後、事務機器メーカーに就職し、カラープリンターなどの研究、技術開発に従事する。1999年に退社後は、Macを中心としたパソコンの技術解説記事や書籍を執筆するライターとして活動。最近は、AndroidやiOS、OSXのプログラミングに関する記事、書籍の執筆に注力している。プログラミングこそ、パソコン本来の楽しみ方であり、人間の創造性を高める活動の最たるものと信じている。[第1章~3章、付録1]
川口仁
携帯アプリ・業務アプリの開発に従事しているプログラマ。Java、C言語、C++などを主に用いている。Androidに対しては初期バージョンの頃から興味を持っており、最新のアップデート情報を追い続けるとともに、日曜プログラマとしてAndroidアプリやゲームの開発を継続的に行っている。[第4章~8章、付録2]
目次
第1章 Androidの概要と開発環境の整備
- 1-1 はじめに
- 1-2 Androidアーキテクチャの特徴
- 1-3 AndroidSDKのバージョン
- 1-4 SDK、IDEの入手
- 1-5 ADTBundleのインストールと設定
- 1-6 AndroidStudioのインストールと設定
第2章 IDEを使った実際の開発手順
- 2-1 AndroidアプリケーションEclipseプロジェクトの構成
- 2-2 カウンターアプリケーションの作成
- 2-3 プログラムのデバッグ
- 2-4 プロジェクトのインポート
- 2-5 プロジェクトのエクスポート
- 2-6 AndroidStudioを使った開発の概要
第3章 Androidアプリケーションの基本構造
- 3-1 アプリケーションのコンポーネント
- 3-2 コンポーネントとインテント
- 3-3 アクティビティのライフサイクル
- 3-4 アクティビティとフラグメント
- 3-5 フラグメントのライフサイクル
第4章 はじめてのAndroid4アプリケーション
- 4-1 画像を表示する
- 4-2 ボタンを利用して表示する画像を切り替える
- 4-3 プログラム側からImageViewやButtonを配置する
- 4-4 Activityを利用して2つの画面を切り替える
- 4-5 Fragmentを利用する
- 4-6 Fragmentを利用して2つの画面を切り替える
第5章 タッチイベントを使いこなす
- 5-1 シングルタッチイベントを扱う
- 5-2 マルチタッチイベントを扱う
第6章 加速度や傾きなどのセンサー情報を活用する
- 6-1 加速度と傾きの値を取得する
- 6-2 端末の向きを考慮して傾きの値を算出する
第7章 音楽BGMや効果音を再生する
- 7-1 サウンドを再生する
- 7-2 サウンドの再生終了を検出して、別のサウンドを再生する
- 7-3 サウンド再生用のクラスを作成する
第8章 OpenGLESを利用して高速なグラフィックス処理を行う
- 8-1 OpenGLESについて理解する
- 8-2 四角形ポリゴンを描画する(OpenGLES1.0/1.1)
- 8-3 頂点色を利用して四角形ポリゴンを描画する(OpenGLES1.0/1.1)
- 8-4 2D画像を描画する(OpenGLES1.0/1.1)
- 8-5 2D画像を高速に描画する(OpenGLES1.1)
- 8-6 3Dモデルを描画する(OpenGLES1.0/1.1)
- 8-7 エミュレータ上でOpenGLES2.0の機能を利用可能にする
- 8-8 四角形ポリゴンを描画する(OpenGLES2.0)
- 8-9 頂点色を利用して四角形ポリゴンを描画する(OpenGLES2.0)
- 8-10 2D画像を描画する(OpenGLES2.0)
- 8-11 3Dモデルを描画する(OpenGLES2.0)
- 8-12 端末のOpenGLESの機能に関する対応状況を調べる
【APPENDIX】
- 1 Androidユーザーインターフェース・プログラミングサンプル集
- 2 GooglePlayでアプリケーションを公開する