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内容紹介
ビジネス現場ではデータ活用の重要性がますます高まっています。データに基づいた経営施策の実施とその効果検証のためには、一般的な統計指標(平均、標準偏差、相関)だけでなく「因果」にまで分析を広げる必要があります。本書は因果分析の重要な2つの領域である「因果推論」および「因果探索」について、実際にプログラムを実装しながら学ぶ書籍です。因果推論や因果探索を学びたいビジネスパーソンや、初学者の方を対象としています。
・因果推論とは「テレビCM放映で、商品購入量がどれくらい増えたのか?」「研修の実施で、社員スキルがどの程度向上したのか?」など、なんらかの施策を実施した際に、その施策の効果を推定する手法です。・因果探索とは「生活習慣と疾病の調査」「働き方改革に伴う社員調査」など、アンケート調査等で収集した各項目間の因果関係を明らかにする試みです。
本書は「因果推論、因果探索とはどのようなものか」「因果推論、因果探索を実施するには、具体的にどうしたら良いのか・分析プログラムをどう実装したら良いのか」「因果推論、因果探索が、どのように機械学習やディープラーニングと結びついているのか」が理解・習得できる内容となっています。
プログラミング言語Python、実行環境Google Colaboratory、機械学習ライブラリscikit-learn、PyTorchで実際に手を動かしながら実装し、習得していきます。
データに基づいた経営・ビジネスを実践するうえでスタンダードな手法となる因果分析をマスターしよう。
書誌情報
- 著者: 小川雄太郎
- 発行日: 2020-06-29 (紙書籍版発行日: 2020-06-29)
- 最終更新日: 2020-06-29
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 224ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF
- 出版社: マイナビ出版
対象読者
著者について
小川雄太郎
SIerのAIテクノロジー部に所属。ディープラーニングをはじめとした機械学習関連技術の研究開発、教育、コンサルティング、受託案件、アジャイルでのソフトウェア開発を業務とする。明石工業高等専門学校、東京大学工学部を経て、東京大学大学院、神保・小谷研究室にて脳機能計測および計算論的神経科学の研究に従事し、2016年博士号(科学)を取得。東京大学特任研究員を経て、2017年4月より現職。
本書の他に『つくりながら学ぶ! 深層強化学習 -PyTorchによる実践プログラミング-』、『つくりながら学ぶ! PyTorchによる発展ディープラーニング』(以上マイナビ出版)、『AIエンジニアを目指す人のための機械学習入門』(技術評論社、共著)なども執筆。
目次
第1部 因果推論
第1章 相関と因果の違いを理解しよう
- 1-1 因果推論が必要となる架空事例の紹介
- 1-2 相関と因果の違い、疑似相関とは
- 1-3 Google Colaboratoryを用いたPythonプログラミング:疑似相関の確認
第2章 因果効果の種類を把握しよう
- 2-1 反実仮想と様々な因果効果(ATE、ATT、ATU、CATE)
- 2-2 介入(doオペレータ)とは
- 2-3 本書で使用する数学記法の整理
- 2-4 調整化公式とは
第3章 グラフ表現とバックドア基準を理解しよう
- 3-1 構造方程式モデルとグラフ表現(因果ダイアグラムDAG)
- 3-2 バックドア基準、バックドアパス、d分離
- 3-3 ランダム化比較試験RCTによる因果推論
第4章 因果推論を実装しよう
- 4-1 回帰分析による因果推論の実装
- 4-2 傾向スコアを用いた逆確率重み付け法(IPTW)の実装
- 4-3 Doubly Robust法(DR法)による因果推論の実装
第5章 機械学習を用いた因果推論
- 5-1 ランダムフォレストによる分類と回帰のしくみ
- 5-2 Meta-Learners(T-Learner、S-Learner、X-Learner)の実装
- 5-3 Doubly Robust Learningの実装
第2部 因果探索
第6章 LiNGAMの実装
- 6-1 LiNGAM(Linear Non-Gaussian Acyclic Model)とは
- 6-2 独立成分分析とは
- 6-3 LiNGAMによる因果探索の実装
第7章 ベイジアンネットワークの実装
- 7-1 ベイジアンネットワークとは
- 7-2 ネットワークの当てはまりの良さを測る方法
- 7-3 変数間の独立性の検定
- 7-4 3タイプのベイジアンネットワークの探索手法
- 7-5 PCアルゴリズムによるベイジアンネットワーク探索の実装
第8章 ディープラーニングを用いた因果探索
- 8-1 因果探索とGAN(Generative Adversarial Networks)の関係
- 8-2 SAM(Structural Agnostic Model)の概要
- 8-3 SAMの識別器Dと生成器Gの実装
- 8-4 SAMの損失関数の解説と因果探索の実装
- 8-5 Google ColaboratoryでGPUを使用した因果探索の実行