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内容紹介
統計、とりわけ医療統計(生物統計)の実践にあたって、「まず現象があり、その現象(データ)を説明するために仮説が作られ、その仮説を証明するために統計的手法が使われ、解析結果を再び仮説と照らし合わせて現象を説明しようと試みる。それがうまくいかない場合は、再び仮説を作りなおし、解析を行い結論に導く」、このようなことを繰り返してはいないでしょうか。本書では、まず、統計ソフトを間違って使用しないために統計に関する最低限の事項を説明し、次に統計ソフトの使い方について解説をしていきます。
Prismは、医療・生物統計学、それら研究に用いる種々の線形・非線形解析とその曲線への適合、および科学的グラフ作成のためのツールが網羅された、非常に洗練されたソフトウェアです。また、パワーポイントなど汎用のプレゼンテーションソフトに簡単に移行できるようになりましたので、データからその解析、グラフ化、さらにプレゼンテーション資料までを、このソフトのみで完成させることができます。実際の作業の際には、データ入力、解析結果、グラフ、レイアウト、メモをすべて連動し自動更新され、1つのプロジェクト・ファイルにまとめて保存されますので、実験データを追加したり、訂正があった場合でも、グラフなどを作成しなおす必要もなく、分かりやすく管理することができます。また、解析手法を変更すると、解析結果、グラフなどが自動更新され、新たなグラフなどを別シートで作成することもできます。さらに、ボタンをクリックするだけで、種々のデータ解析が簡単に行えます。また、ページレイアウトでは、複数のグラフ、テキスト、図、インポート画像を組み合わせて1枚の要約を作成でき、プレゼンテーション資料を作成できるといった特徴を持っており、手放せないソフトウェアになっています。
書誌情報
- 著者: 平松正行
- 発行日: 2010-03-10 (紙書籍版発行日: 2010-03-10)
- 最終更新日: 2010-03-10
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 304ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF
- 出版社: カットシステム
対象読者
著者について
平松正行
1958 年生まれ。1981 年に名城大学薬学部、1986 年に同大学大学院薬学研究科博士後期課程を修了後(薬学博士)、名城大学薬学部に勤務。平成13 年4 月より助教授、平成14 年4 月からは大学院総合学術研究科併任、平成19 年4 月からは、同准教授。この間、2年間カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部に留学。看護学校非常勤講師、治験審査委員、欧文雑誌編集委員などを務める。専門は、神経精神薬理学。
目次
第1章 間違った統計手法を使わないために
- 1.1 統計解析の目的は?
- 1.2 最低限の用語の解説
- 1.3 データのビジュアル化
- 1.4 フローチャートを用いた統計手法の選択
- 1.5 「統計学的に有意」とは?
- 1.6 データの正規性はなぜ重要なのか?
- 1.7 ポストホック検定(Post-hoc test)とは?
- 1.8 外れ値はどのように取り扱えばよいか
- 1.9 標準偏差と標準誤差の違い
- 1.10 両側検定と片側検定の違い
- 1.11 95%信頼区間とは?
- 1.12 ガウス分布
第2章 GraphPad Prism ver.5 入門編 クイックツアー
- ステップ1:GraphPad Prismを立ち上げる
- ステップ2:新しいプロジェクトの作成
- ステップ3:サンプルデータを参考に、データを入力する
- ステップ4:グラフを作成する
- ステップ5:非線形回帰(nonlinear regression)を行い、曲線を求める
- ステップ6:分析結果の表示
- ステップ7:グラフのカスタマイズ
- ステップ8:転送、エクスポートと印刷
- ステップ9:グラフの複製(クローニング、Cloning)
- ステップ10:グラフの編集
- ステップ11:グラフのレイアウト機能
- ステップ12:自動リンク機能と更新機能
- ステップ13:ノートの追加機能、他、便利な機能
第3章 パラメトリック検定
- 3.1 母集団の平均値との比較:One Sample t-test
- 3.2 対応のない2群の比較:Unpaired t-test(Student's t-test)
- 3.3 対応のない2群の比較(分散が等しくない場合のWelchの補正): Unpaired t-test with Welch's correction
- 3.4 対応のある2群の比較:Paired t-test
- 3.5 独立した3群以上の比較:One-way Factorial ANOVA and Multiple Comparison tests
- 3.6 2つのカテゴリー変数で分類される多群の比較 —繰り返しのない場合:Two-way ANOVA
- 3.7 2つのカテゴリー変数で分類される多群の比較 —繰り返しのある場合
- 3.8 反復測定—分散分析法:Two-way Repeated measure ANOVA
- 3.9 2つのカテゴリー変数で分類される多群の比較 —多重比較:Two-way Factorial ANOVA with post-hoc test
- 3.10 2つのカテゴリー変数で分類される多群の比較 —交互作用のある場合:Two-way Factorial ANOVA、interaction
第4章 ノンパラメトリック検定
- 4.1 独立2群の比較:Mann-Whitney U-test
- 4.2 独立3群以上の比較:Kruskal-Wallis test with post-hoc test
- 4.3 対応のある2群の比較:Wilcoxon signed rank test
- 4.4 対応のある3群以上の比較:Friedman test with post-hoc test
第5章 相関関係の検定
- 5.1 ピアソンの相関係数: Pearson’s correlation coefficient
- 5.2 スピアマンの順位相関係数: Speaman’s correlation coefficient by rank
第6章 2 変数間の回帰
- 6.1 単純直線回帰:Linear regression
- 6.2 非線形回帰とその検定および2曲線の適合度検定: Non-linear regression
第7章 カテゴリーデータの検定
- 7.1 2×2分割表 χ2(カイ2乗)検定: Chi-square test
- 7.2 Fisherの直接確率法とYatesの補正
- 7.3 l×m分割表におけるχ2(カイ2乗)検定: Chi-square test
第8章 生存分析:Survival analysis
- 8.1 カプラン・マイヤー法:Kaplan-Meier法
- 8.2 ログ・ランク法:Log-rank(Mantel-Cox)法
第9章 曲線回帰のための非線形回帰の利用
- 9.1 受容体結合実験
- 9.2 非線形回帰を用いた標準曲線からの未知濃度の計算: タンパク定量およびEIAキットによる定量
- 9.3 2-コンパートメントモデル:Two phase exponential decay
- 9.4 非線形解析のための多彩な計算ツール