Google Earthアプリケーション開発ガイド KML、Earth&API 徹底活用
1,980円 (1,800円+税)
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内容紹介
さて、(中略)Google Earth そのものが、すでにすばらしいサービスです。高解像度の空中写真や建物のリアルな立体モデルも配置され、まさにデジタルな「地球儀」といえます。しかし、この地球義は、あくまで無人の世界です。このデジタルな地球儀に、さまざまなデータであらわされる「人の営み」を載せる=マッピングすることによって、活き活きとした「もうひとつの地球」としてのアプリケーションが動き出します。
本書では、こうした「もうひとつの地球」をつくるための、Google Earth を取り巻く技術とコンテンツデザインのメソッドについて解説していきます。
まず、現在、地理空間情報として最も普及しているデータ形式であるKML について説明します。Google Earth 専用のマークアップ言語としてスタートしたKML は、現在ではGoogle マップをはじめ、さまざまなアプリケーションやサービスで利用されはじめています。本書では最新のKML データの仕様について、公開されている資料を元に、よりわかりやすく解説します。
さらに本書では、Google Earth プラグインとそのJavaScript API(Google Earth API)について、実例を交えて説明していきます。このプラグインとAPI を利用することで、GoogleEarth とそのコンテンツをウェブページに埋め込むことができます。さらに、KML ファイルの読み込み、マーカーや線の描画、オーバーレイ、3D モデルの追加などを行うことができます。
そして、KML コンテンツとJavaScript やスタイルシートによるデザイン・インタラクションを組み合わせることによって、Google Earth のスタンダードソフトウェアでは実現できない、高度なユーザーインターフェイスを備えたアプリケーションを、かんたんに実現できるのです。
読者のみなさんが、それぞれに魅力的な「もうひとつの地球」をつくり上げていくためのガイドブックとして、本書をご活用いただければ幸いです。
(「はじめに」より)
書誌情報
- 著者: 古橋大地, 渡邉英徳, 小山文彦
- 発行日: 2014-02-04 (紙書籍版発行日: 2014-02-04)
- 最終更新日: 2014-02-04
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 201ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
対象読者
KMLやGoogle Earthに興味のある方、地図を使ったアプリケーションを開発したい方
著者について
古橋大地
マップコンシェルジュ株式会社代表取締役社長、オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン副理事長、東京大学空間情報科学研究センター特任研究員、OSGeo 財団日本支部理事、災害救援用無人機開発プロジェクトOpenRelief コントリビュータ、日本測量協会サーベイアカデミー認定講師。東京大学大学院新領域創成科学研究科修了(環境学修士)。専門は森林リモートセンシング。地理空間情報の利活用を軸に、Google ジオサービス、オープンソースGIS(FOSS4G)、オープンデータ(OpenStreetMap)の技術コンサルティングや教育指導を行っている。ここ数年は「一億総伊能化」をキーワードにみんなで世界地図をつくるOpenStreetMap に熱を上げている。最近の主なプロジェクト:JICAProject/ブラジル国アマゾン森林保全・違法伐採防止のためのALOS 衛星画像の利用プロジェクト(Alos4Amazon: http://alos4amazon.com/)。
渡邉英徳
1974 年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科卒業、筑波大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。現在、首都大学東京システムデザイン学部准教授、京都大学地域研究統合情報センター客員准教授。情報デザイン、ネットワークデザイン、Web アートを研究する「情報アーキテクト」として活動。Google Earth にさまざまな歴史資料とデータを重ね合わせた、新しいかたちのデジタルアーカイブの制作を進めている。「ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクト」「ナガサキ・アーカイブ」「ヒロシマ・アーカイブ」「東日本大震災アーカイブ」など。
小山文彦
株式会社ゴーガ代表取締役。Google 社のジオ製品全般を扱う国内唯一のGoogle Enterprise Maps Premier Partner で、Google Earth Enterprise やGoogle Maps API を利用した業務システムの導入を得意とする。2008 年より開始された位置情報関連メディアや技術のカンファレンス「ジオメディアサミット」の発起人であり、運営事務局を務める。
目次
はじめに
第1章 Google Earth 概論
- 1.1 Google Earth とは
- 1.2 デジタルアースとGoogle Earth
- 1.2.1 参考:アル・ゴア元米国副大統領(1998)デジタルアース構想日本語訳
- 1.3 よりシンプルに、飽くなきUI の改良
- 1.4 KML データの普及
- 1.5 GML からKML へ、そしてその次は?
- 1.6 Google Earth の基本的な活用方法
- 1.6.1 今の地球/宇宙を知る
- 1.6.2 過去と未来を行き来する
- 1.6.3 合わせ技
- 1.7 ライセンス
- 1.8 Google Earth Enterprise とGoogle Maps Engine(旧Google Earth Builder)
- 1.8.1 インポート可能なジオメトリタイプの詳細
- 1.9 Liquid Galaxy
第2章 KMLの作り方
- 2.1 KML(Keyhole Markup Language)とは
- 2.2 KML の特徴
- 2.3 KML が持つ地理空間情報オブジェクト
- 2.4 KML の属性とメタデータ
- 2.5 KML を作ろう
- 2.5.1 最低限のKML の作法
- 2.5.2 Feature(フィーチャ地物)という考え方
- 2.5.3 Placemark(プレイスマーク/場所の記録)
- 2.6 Overlay(イメージオーバーレイ/画像表現)
- 2.6.1 GroundOverlay(グラウンドオーバーレイ)
- 2.6.2 ScreenOverlay(スクリーンオーバーレイ)
- 2.6.3 PhotoOverlay(写真オーバーレイ)
- 2.6.4 スーパーオーバーレイ
- 2.7 QGIS とGDAL
- 2.7.1 KML データをQGIS に取り込む
- 2.7.2 QGIS を使って、外部データをKML に変換する(シェープ形式の場合)
- 2.8 GDAL2Tiles とMapTiler
- 2.9 GeoServer とOpenGeo Suite
第3章 Google Earth API
- 3.1 Google Earth プラグインについて
- 3.2 Hello, Earth! - Google Earth を表示してみる
- 3.2.1 Google Earth API のロード
- 3.2.2 プラグインを格納するDIV の作成
- 3.2.3 初期化関数の作成
- 3.3 ナビゲーション、レイヤー、ビューの移動、プレイスマークの作成
- 3.3.1 ナビゲーションコントロールの表示/非表示、位置の移動
- 3.3.2 レイヤーの表示/非表示
- 3.3.3 ビュー
- 3.3.4 ビューの移動
- 3.3.5 現在のビューを取得する
- 3.3.6 カメラの傾き
- 3.3.7 カメラのズーム
- 3.3.8 FlyTo 速度の設定
- 3.3.9 プレイスマークの設置
- 3.3.10 カスタムアイコンを定義する
- 3.4 kmz(KML 形式のZIP 圧縮したもの)ファイルの表示
- 3.4.1 KmlNetworkLink
- 3.4.2 fetchKml とparseKml
- 3.5 チェックボックスによるKML コンテンツの表示切替
- 3.5.1 チェックボックス
第4章 事例紹介
- 4.1 アーカイブズ・シリーズ
- 4.1.1 ナガサキ・アーカイブのインターフェイス
- 4.1.2 視点移動シークエンスと時間差のファイル読み込み
- 4.1.3 スーパーオーバーレイを用いた巨大グラウンドオーバーレイの実装
- 4.1.4 写真オーバーレイと立体地形、建物モデルの重ねあわせ
- 4.1.5 バルーン内にYouTube 埋め込みコードやJavaScript などを設置する
- 4.1.6 写真オーバーレイをワンクリックで表示させる
- 4.1.7 バルーン内スタイルの有効化
- 4.1.8 3D モデルの配置
- 4.1.9 地名検索機能
- 4.1.10 ソースコード
- 4.2 START on AIR!
- 4.3 ビッグデータの表示
- 4.3.1 ソースコード
- 4.4 学生作品の例