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ディジタル回路設計とコンピュータアーキテクチャ RISC-V版

エスアイビー・アクセス

5,500円 (5,000円+税)

コンピュータアーキテクチャの見地からディジタル論理設計を論じている点で、1と0から始めてマイクロプロセッサの設計まで読者を導いている。アセンブリ言語でプログラミングすると、プロセッサがコンピュータ内で話す言語が明らかになる。マイクロアーキテクチャはそれらすべてを1つにまとめている。

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内容紹介

私たちは本書が技術的な知識とともに、芸術の美とスリルを伝えることができたら良いと願っている。あなたは、組み合わせ回路と順序回路を、回路図とハードウェア記述言語を使って学んできた。マルチプレクサ、ALU、メモリなどのもっと大きなビルディングブロックにも詳しくなっただろう。コンピュータは、ディジタルシステムの最も魅力的なアプリケーションである。あなたは、RISC-Vプロセッサを、機械語に対応するアセンブリ言語でプログラムする方法を学び、ディジタルビルディングブロックを使ってプロセッサとメモリシステムを構築する方法を学んだ。本書全体を通して、抽象化、規格化、階層化、モジュール化、および規則化の適用例を見ることができる。このようなテクニックを使って、私たちは部品を組み立ててマイクロプロセッサの内部動作を作っていくことができた。携帯電話からディジタルテレビ、火星探査機、医療画像システムに至るまで、私たちの世界はますますディジタルワールドになっている。

一世紀半前にチャールズ・バベッジが、悪魔と契約して、同じような旅に出たとしたら、どうなっただろう。彼は単に機械的な精度で数値的な表を計算することを求めただけだった。今日のディジタルシステムは昔のSFの世界である。ディック・トレーシーは彼の腕時計型通信機でiTunesを聞いたかもしれない。ジュール・ベルヌは、地上位置測定用の衛星群を宇宙に打ち上げただろう。ヒポクラテスは、脳の高精度ディジタル画像を使って病気を治すことができたかもしれない。しかし同時に、ジョージ・オーウェルのユビキタス政府による監視の悪夢は日ごとに現実に近くなっている。ハッカーと政府は、産業インフラや金融ネットワークに対する宣戦布告のないサイバー戦争に明け暮れている。ならずものたちの組織は、冷戦時代に爆弾をシミュレートするのに部屋1つを占めたスーパーコンピュータよりも強力なラップトップコンピュータを使って核兵器を開発している。マイクロプロセッサ革命は加速を続けている。次なる数十年に来る変革は過去を上回るだろう。あなたは、今、私たちの未来を形作るであろうこれらの新しいシステムを設計して作っていくツールを身に付けた。あなたの新しい力は、奥深い責任を伴なっている。筆者らは、あなたがこれを楽しみのためやお金持ちになるためだけに使うのではなく、人類の幸福のために使うことを望んでいる。

書誌情報

  • 著者: サラ・L・ハリス, デイビッド・ハリス(著), 天野英晴, 鈴木 貢, 中條拓伯, 永松礼夫(訳)
  • 発行日: (紙書籍版発行日: 2022-06-05)
  • 最終更新日: 2022-06-10
  • バージョン: 1.0.0
  • ページ数: 334ページ(PDF版換算)
  • 対応フォーマット: PDF
  • 出版社: エスアイビー・アクセス

対象読者

計算機工学と計算機科学の学生およびRISC-V関連エンジニア。特に学生にとってプロセッサ内の動きは魔術に近いが、注意深く説明すれば一本道だと分かる。ディジタル設計はそれ自体が強力で刺激的な科目である。アセンブリ言語でプログラミングすると、プロセッサがコンピュータ内で話す言語が明らかになる。マイクロアーキテクチャはそれらすべてを1つにまとめている。

著者について

サラ・L・ハリス

ネバダ大学電気コンピュータ工学准教授。彼女はスタンフォード大学で電子工学のPh.D.とM.S.の学位を受け、Hewlett-Packard社のスーパーコンピュータセンターとNVIDIA社に勤務した。サラは教えること、新技術を探求し開発することを愛している。趣味として、家族旅行、ギターほかの楽器演奏を楽しんでいる。最近の関心は、生物に学ぶ義肢・義足など人工補充物の研究およびハードウェアの機械学習アルゴリズムの実装である。

デイビッド・ハリス

ハーベイ・マッド大学工学教授。彼はスタンフォード大学で電子工学のPh.D.学位を、MITからは電子工学と計算機科学の工学修士(M.Eng.)の学位を受けている。Intel社でItaniumとPentium IIプロセッサの論理回路設計を行った。またBroadcom、Sun Microsystems、Hewlett-Packard、Evans & Sutherland、その他の回路設計会社のコンサルタントを経験している。デイビッドの情熱は教育、チップの構築のみならず、航空機やアウトドア活動にまで及んでいる。

天野英晴

慶應義塾大学理工学部情報工学科教授

鈴木 貢

国立感染症研究所室長

中條拓伯

東京農工大学大学院共生科学技術研究院准教授

永松礼夫

神奈川大学情報科学科教授

目次

1 ゼロからイチへ

  • 1.1 ゲームの計画
  • 1.2 複雑さを上手に扱う方法
  • 1.3 ディジタルによる抽象化
  • 1.4 数の体系
  • 1.5 論理ゲート
  • 1.6 ディジタル抽象化の裏側
  • 1.7 CMOSトランジスタ*
  • 1.8 電力消費*
  • 1.9 まとめとこれから学ぶこと
  •  演習問題
  •  口頭試問

2 組み合わせ回路設計

  • 2.1 はじめに
  • 2.2 ブール論理式
  • 2.3 ブール代数
  • 2.4 論理からゲートへ
  • 2.5 マルチレベル組み合わせ回路
  • 2.6 XとZ、…はて?
  • 2.7 カルノーマップ
  • 2.8 組み合わせ回路のビルディングブロック
  • 2.9 タイミング
  • 2.1 まとめ
  •  演習問題
  •  口頭試問

3 順序回路設計

  • 3.1 はじめに
  • 3.2 ラッチとフリップフロップ
  • 3.3 同期式回路設計
  • 3.4 有限状態マシン
  • 3.5 順序回路のタイミング
  • 3.6 並列性
  • 3.7 まとめ
  •  演習問題
  •  口頭試問

4 ハードウェア記述言語

  • 4.1 はじめに
  • 4.2 組み合わせ回路
  • 4.3 構造モデル化
  • 4.4 順序回路
  • 4.5 組み合わせ回路再考
  • 4.6 有限状態マシン
  • 4.7 データ型*
  • 4.8 パラメータ化モジュール*
  • 4.9 テストベンチ
  • 4.1 まとめ
  •  演習問題
  •  口頭試問

5 ディジタルビルディングブロック

  • 5.1 はじめに
  • 5.2 算術演算回路
  • 5.3 数の表現法
  • 5.4 順序回路のビルディングブロック
  • 5.5 メモリアレイ
  • 5.6 ロジックアレイ
  • 5.7 まとめ
  •  演習問題
  •  口頭試問

6 アーキテクチャ

  • 6.1 はじめに
  • 6.2 アセンブリ言語
  • 6.3 プログラミング
  • 6.4 機械語
  • 6.5 ライト、カメラ、アクション:コンパイル、アセンブル、ローディング*
  • 6.6 こまごまとした話題*
  • 6.7 RISC-Vアーキテクチャの進化
  • 6.8 もう1つの視点:x86アーキテクチャ
  • 6.9 まとめ
  •  演習問題
  •  口頭試問

7 マイクロアーキテクチャ

  • 7.1 はじめに
  • 7.2 性能解析
  • 7.3 単一サイクルプロセッサ
  • 7.4 マルチサイクルプロセッサ
  • 7.5 パイプラインプロセッサ
  • 7.6 HDL記述*
  • 7.7 進んだマイクロアーキテクチャ*
  • 7.8 現実世界の状況:RISC-Vマイクロアーキテクチャの進化*
  • 7.9 まとめ
  •  演習問題
  •  口頭試問

8 メモリシステム

  • 8.1 はじめに
  • 8.2 メモリシステム性能の解析
  • 8.3 キャッシュ
  • 8.4 仮想メモリ
  • 8.5 まとめ
  •  エピローグ
  •  演習問題
  •  口頭試問

9 組み込みI/Oシステム

  • 9.1 はじめに

A ディジタルシステムの実装 

  • A.1 はじめに

B ARM命令 

  • B.1 データ処理命令 
  • B.2 メモリ命令 

B .3 分岐命令 

  • B.4 その他の命令 
  • B.5 条件フラグ 

C Cプログラミング 

  • C.1 はじめに

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