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内容紹介
『これからのマーケターは、グラフの見た目よりも「因果推論」に注意すべきである』「統計学が最強の学問である」著者の西内 啓氏推薦!
マーケティング施策の意思決定をいかにして「データドリブン」にするか? Excelを用いた演習でマーケティングROIの最適化を導く分析手法を習得しながら、統計や因果推論の知識について知る。データ解析にもとづくマーケティングに必須の「知識」と「生きたノウハウ」が同時に身につくビジネス実践書です。
『もともと統計学には無縁だった筆者は、広告会社でTVCMなどのマス広告とデジタルアドの全体最適、予算配分の最適を目指すため、時系列データ解析によってオフライン施策とオンライン施策を横並びで評価できるマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)を知りました。それを学ぶために得た知識や分析スキルを共有するために、ExcelでMMMに付帯する分析手順を行いながら学べる書籍を作りました。それは本来、専門家によって提供される高度な分析サービスです。本書では統計学に初めてチャレンジ する方がそれを習得することを目指したものです。本書は統計やデータマイニングを学びたくなったマーケターが難解な数式やプログラムコードを書くような「専門書」で学ぶ前の、基礎的なデータ分析の感覚を共有する「ビジネス専門書」を目指しました。』(著者の言葉より)
本書は8章+付録演習で構成されています。
●演習内容
第1章 演習をはじめる前に
第2章 顧客データ(質的データ)をクロスセクションデータとして分析
第3章 アルコール飲料の売上の予測モデルを作る準備(データをチェック)
第4章 Excel分析ツールを使って回帰分析
第5章 残存効果などを加味して予測精度を上げる
第6章 予算配分最適化シミュレーション
第7章 ECとコールセンター 2つの売上への影響を加味した予算配分最適化
第8章 補足解説(演習を終えた方へ)
付録演習
第1章では、マーケターの意思決定の多くを占める効果検証法や、データ分析の種類を整理します。
第2章では顧客データ(質的データ)をクロスセクションデータとして分析します。
第3章~第4章では、アルコール飲料の売上の予測モデルを作る準備をします。
第5章では、残存効果などを加味して予測精度を上げていきます。
第6章では、予算配分最適化シミュレーションを行います。
第7章ではECとコールセンター、2つの売上に対する影響を加味した予算配分最適化シミュレーションを行います。
第8章では補足解説として、ここまでの演習を終えた方向けに、モデル選択視点や統計的因果推論の知識について簡単に解説します。
ぜひ本書と一緒に取り組み、データ分析の感覚を身につけてください。演習ファイルは本書サイトからダウンロード可能。
書誌情報
- 著者: 小川 貴史(著), (株)社会情報サービス(監修)
- ページ数: 352ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF
- 出版社: マイナビ出版
対象読者
著者について
小川 貴史
(株)カーツメディアワークス執行役員 兼 デジタルマーケティング事業部長 シニアコンサルタント。イベントの映像機器オペレーターから広告業界のキャリアを開始。イベントディレクター、プロデューサーを経てから、総合広告代理店で営業とマーケティングプランナー職の双方を経験し、2010年8月から電通グループのインターネット専業代理店で新規営業を担当し実績を積む。2011年11月に(株)電通ダイレクトフォース(現(株)電通ダイレクトマーケティング)に転籍し、それ以降はマーケティングミックスモデリングなどの統計解析手法を学び講演や営業活動を行う。2017年1月からデジタルマーケティングのコンサルティング及び実行支援を行うネットイヤーグループ(株)のアカウントマネージャー職としてカスタマーエクスペリエンスデザインを軸とした提案や支援を行う。2018年6月より現職。座右の銘は「マーケティングサイエンスをもっと身近に。」
(株)社会情報サービス
1982年創業。日本の医薬品市場調査会社のパイオニア。同社内ブランド『BellCurve』にて統計解析ソフト『エクセル統計』、アンケート集計ソフト『秀吉Dplus』、テキストマイニングソフト『トレンドサーチ2015』の開発販売や、WEBサイト『統計WEB』の企画運営を行う。
目次
第1章 演習をはじめる前に
- 1-1 データドリブン・マーケティングと本書のアプローチ
- 1-2 日本のマーケティング組織が「データドリブン」になるには?
- 【コラム】「データサイエンティスト」に必要なスキルセット
- 1-3 効果検証法の種類
- 【コラム】True Lift ModelTM(トゥルー・リフト・モデル)
- 【コラム】シングルソースパネル
- 【コラム】エージェントシミュレーションによるMMM
- 1-4 データマイニングの種類
- 1-5 本書の演習内容と構成
- 【コラム】エクセル統計と統計WEB
第2章 顧客データ(質的データ)をクロスセクションデータとして分析
- 2-1 演習の準備
- 2-2 クロス集計と独立性の検定
- 2-3 独立性の検定の演習(1)
- 2-4 独立性の検定の演習(2)
- 2-5 数量化2類の分析 概要
- 2-6 数量化2類 分析結果出力内容
- 2-7 数量化2類の出力結果を分かりやすく集計【縦横比】
- 2-8 数量化2類の出力結果を分かりやすく集計【カテゴリースコアランキング】
- 2-9 クラスター分析 概要
- 2-10 「階層型」クラスター分析(変数分類)を行う
- 2-11 「非階層型」クラスター分析を行う
- 2-12 「階層型」クラスター分析(個体分類)
- 2-13 顧客データ(質的データ)をクロスセクションデータとして分析(まとめ)
- 【コラム】クロスセクションデータのための拡張アナリティクスツール紹介
第3章 アルコール飲料の売上の予測モデルを作る準備(データをチェック)
- 3-1 折れ線グラフで各変数の形をチェック
- 3-2 基本統計量とヒストグラムを使ってデータの形をチェック
- 3-3 データの形のチェック(まとめ)
- 3-4 どの変数が目的変数に影響がありそうか? 相関係数でチェック
- 3-5 相関係数を参考にする際の注意「疑似相関」
- 3-6 「エクセル統計」で偏相関係数行列と「無向グラフ」を作成
- 3-7 「エクセル統計」の「期別平均法」で季節性を把握
第4章 Excel分析ツールを使って回帰分析
- 4-1 単回帰分析/TVCMで売上数を説明
- 【コラム】信頼度と信頼区間に関して
- 4-2 回帰分析結果の見方
- 4-3 予測値と実績値の推移を線グラフに描画して確認する
- 4-4 重回帰分析/TVCM以外のマーケティング施策も加えて売上数を説明できるか?
- 4-5 決定係数を高める(予測精度を上げる)ためのアプローチとダミー変数
- 4-6 季節性(月次)を考慮するためのダミー変数を活用
- 4-7 追加のダミー変数を加えて分析
- 4-8 タイムラグを仮定した変数加工をして分析
- 4-9 Excelの分析ツールを使った回帰分析(まとめ)
第5章 残存効果などを加味して予測精度を上げる
- 5-1 「MMM予測モデル探索ツール」(7Sheet構成)の概要
- 5-2 「ソルバー回帰」Sheetを使って回帰分析
- 5-3 「ソルバー回帰」Sheetで得られる回帰分析の結果と、DW比とVIF
- 5-4 最適な月次ダミーの組み合わせを「素早く」探索
- 5-5 「記録用」Sheetを用いて、作ったモデルを記録する
- 5-6 「エクセル統計」の説明変数選択機能「減少法」を体験
- 5-7 最適な月次ダミーの組み合わせを「丁寧に」探索
- 5-8 ソルバーを用いて「残存効果」や「非線形な影響」を加味したモデルを探索
- 5-9 タイムラグを取った状態で「残存効果」と「累乗(非線形な影響)」を加味したモデルを探索
- 5-10 「残存効果」と「累乗(非線形な影響)」とは
- 5-11 Excelソルバー補足
- 5-12 「MMM_modeling」BookでGRG非線形とエボリューショナリ?の違いを体験
- 【コラム】 クロスセクションデータを用いたマーケティング施策価値算出ツール「Third Man」
第6章 予算配分最適化シミュレーション
- 6-1 「MMM予測モデル探索ツール」Bookの「試算まとめ準備」Sheetを活用
- 6-2 「MMM予算配分最適化ツール」Bookの「予算配分試算」Sheetにデータを貼り付け
- 6-3 各マーケティング施策の効果数への影響をプロットしたグラフを作成
- 6-4 予算配分シミュレーション(1)
- 6-5 予算配分シミュレーション(2)
- 6-6 予算配分シミュレーション(3)
- 6-7 紙媒体がOOHの効率と同様になるための単価基準を探索
- 6-8 基本統計量とヒストグラムを確認する
- 6-9 箱ひげ図を作り、外れ値を確認する
- 6-10 極端な外れ値による偏回帰係数のバイアス
- 6-11 外挿による予測誤差
- 6-12 予算配分シミュレーション(4)
- 6-13 「MMM_Simulation」Sheet活用時の操作方法の補足
- 【コラム】 Numerical Optimizer
第7章 ECとコールセンター 2つの売上への影響を加味した予算配分最適化
- 7-1 ダイレクトマーケティングの効果検証事例
- 7-2 2つの効果指標に対する影響を同時に加味するための最適予算配分シミュレーション
- 7-3 データの形やバラツキをチェック
- 7-4 WEB申込を目的変数としたモデルを探索
- 7-5 CC申込を目的変数としたモデルを探索
- 7-6 2つのモデルを加味した予算最適配分シミュレーション 効果数
- 7-7 2つのモデルを加味した予算最適配分シミュレーション 利益額
- 7-8 まとめ
第8章 補足解説
- 8-0 演習を終えた方へ
- 8-1 分析の目的を(予測か説明か)定める
- 【コラム】構造型モデリングの分析ツール
- 8-2 候補となる変数で洗い出す
- 【コラム】ソーシャルリスニングツールCrimson Hexagon ForSight Platform
- 【コラム】競合アトリビューションと競合分析のためのシンジケートデータ
- 8-3 得られた複数のモデルから意思決定に用いるものを選択する
- 8-4 MMMの活用について
APPENDIX 付録演習
- A-0 この章の概要
- A-1 紙媒体の外れ値の影響を考慮するためのロバストな推定を行う
- A-2 Googleトレンドの検索指数データから時系列予測を行う
- A-3 単位根検定を行う