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内容紹介
Azureによるネットワーク設計・構築に必要な知識を総ざらい
本書は、Microsoft Azureでネットワークを設計・構築するうえで必要な知識とノウハウを、基礎から応用まで体系的にまとめた一冊です。
「Azureでネットワークを構築することになったが、どのサービスをどのように組み合わせればよいのかわからない」「クラウドもネットワークも初めてで、そもそも何から学べばよいかわからない」――このような不安を抱くITエンジニアの皆さんが、Azureネットワークサービスの効果的な使い方を理解できるようになることが本書のゴールです。
Azureでネットワークを構築・設計する際に最低限必要なネットワークの基礎知識、既存のオンプレミスネットワークとの考え方の違い、Azureのネットワークサービスとその使い方を、ハマりがちな“落とし穴”も交えながら、Azureの技術支援を担当するスペシャリスト/アーキテクトの視点から解説します。さらに応用として、各種ネットワークサービスを組み合わせたリファレンスアーキテクチャである「Azureランディングゾーン」をベースに、エンタープライズにおけるネットワークの設計・運用ベストプラクティスについても紐解いていきます。
書誌情報
- 著者: 山本 学, 山田 浩也, 山口 順也
- 発行日: 2024-09-04 (紙書籍版発行日: 2024-09-04)
- 最終更新日: 2024-09-04
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 416ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: インプレス
対象読者
○パブリッククラウドにかかわるエンジニア(ネットワーク初心者から、Google Cloud/AWS/Azureなど数年の経験を持つクラウドエンジニアまで) ○オンプレミスネットワークの設計・構築・運用を担当した経験があるインフラ担当者
著者について
山本 学
日本マイクロソフト株式会社 インフラテクノロジー スペシャリスト。大学卒業後、大手通信キャリアへ入社。ネットワークエンジニアとして日本国内の次世代ネットワークの構築・運用や東日本大震災の復興工事などに従事。その後、プロジェクトマネージャーとして自治体向け基幹システム導入を経験後、2019年1月に日本マイクロソフトへ入社。現在はAzureのインフラ領域における技術支援を担当。
山田 浩也
日本マイクロソフト株式会社 インフラテクノロジー スペシャリスト。大学卒業後、某通信キャリアに入社し、ネットワークエンジニアとして従事。国内製造業、小売業のWANやDC LANの提案、設計、運用に従事する。その後、運用保守のアウトソースサービスの企画、開発に携わり、運用監視のサーバーなどの設計、構築を行なう。その中でコンテナと出会い、パブリッククラウドのコンテナサービスに関した仕事をしたくなり、縁があって日本マイクロソフトへ入社。
山口 順也
日本マイクロソフト株式会社 クラウドソリューションアーキテクト。大学院卒業後、日本マイクロソフト株式会社に技術サポートエンジニアとして新卒入社、エンタープライズ向けのAzureネットワーク製品サポートに従事する。2022年に社内異動し、Azureインフラ部門のクラウドソリューションアーキテクトとして活動を開始。ネットワークアーキテクチャ設計や仮想デスクトップ基盤の支援等を担当する。著書に『Azure定番システム設計・実装・運用ガイド 改訂新版』(日経BP社)。
目次
はじめに
本書を読む前に ― 対象読者と本書の概要
目次
第1章 クラウドとネットワーク
- 1-1 企業ネットワークの変遷
- 1950年代・1960年代
- 1970年代
- 1980年代
- 1990年代
- 2000年代
- 2010年代
- 1-2 クラウドコンピューティングの特性
- NISTが定義するクラウドコンピューティング
- クラウドの特徴を支えるクラウドのシステム的な特性
- パブリッククラウドの責任共有モデル
- 1-3 クラウド活用に求められるネットワークの要件
- クラウド移行戦略
第2章 IPネットワークの基礎知識
- 2-1 OSI参照モデル
- 2-2 ネットワークプロトコル
- 2-3 ネットワークアドレス
- IPv4
- IPv6
- 2-4 ルーティング
- ルーティングテーブル
- ルーティングの種類
- ロンゲストマッチの法則
- デフォルトルート(0.0.0.0/0)
第3章 ネットワークの通信制御
- 3-1 トランスポート層プロトコル
- TCP
- TCPセグメント
- 3ウェイハンドシェイク
- クローズ
- UDP
- UDPセグメント
- 3-2 NAT(ネットワークアドレス変換)
- IPアドレスの枯渇問題
- NATによるインターネットアクセス
- NAPT
- SNATポート枯渇
- 3-3 Webアプリケーションを支える技術
- World Wide Webの誕生
- リソース識別子
- HTTPプロトコル
- 認証と暗号化
- プロキシサーバー
- 3-4 DNS(ドメインネームシステム)
- 名前解決
- ドメイン名空間
- リゾルバーとネームサーバー
- リソースレコード(RR)
第4章Azureネットワークを支える技術
- 4-1 Azureのインフラストラクチャ
- グローバルネットワーク
- ネットワークアーキテクチャ(リージョン/可用性ゾーン)
- 可用性
- 4-2 仮想ネットワークの基礎
- 仮想ネットワーク(VNet)
- サブネット
- ネットワークセキュリティグループ
- ピアリング
- DNS
- 4-3 さらに進化するネットワークインフラ
- 高速ネットワーク
- 近接通信配置グループ(PPG)
第5章 Azureネットワークサービス
- 5-1 接続サービス
- Azure ExpressRoute
- Virtual Network Gateway(VNet Gateway)
- Azure Virtual WAN(VWAN)
- Azure DNS
- Azure Bastion
- Azure NAT Gateway
- Azure Peering Service
- Route Table(ルートテーブル)
- Azure Route Server
- 5-2 アプリケーション保護サービス
- Azure DDoS Protection
- Azure Private Link(プライベートリンク)
- Virtual Network Service Endpoints(仮想ネットワークサービスエンドポイント)
- Azure Firewall
- Azure Web Application Firewall(Azure WAF)
- 5-3 アプリケーション配信サービス
- Azure Contents Delivery Network(Azure CDN)
- Azure Front Door
- Azure Traffic Manager
- Azure Load Balancer
- Azure Application Gateway
- 5-4 ネットワークの監視
- Azure Network Watcher
- Azure Monitor Network Insights
- 5-5 パブリックIP
- パブリックIP(Public IP)
第6章 シナリオ別ユースケース――Azureネットワークサービスの基本的な使い方
- 6-1 オンプレミス To Azure
- VPN
- ExpressRoute
- 6-2 Azure To Azure
- VNet内
- VNet間
- IaaSとの接続
- 6-3 Azure Toインターネット
- アウトバウンド接続
- 判断フローチャート
- 機能比較
- 各構成の詳細
第7章 発展的なユースケース
- 7-1 パフォーマンス最適化
- ネットワークのパフォーマンスとは?
- Azure VMのパフォーマンスチューニング
- 高速ネットワークと近接通信配置グループ
- ハイブリッドネットワークのパフォーマンス
- Webパフォーマンス
- 7-2 ルーティング、負荷分散
- リージョン間負荷分散
- リージョン内負荷分散
- ルーティング、負荷分散のデシジョンツリー
- 7-3 ネットワークのセキュリティ
- Azureネットワークの多層防御
- DDoS Protection
- Azure Front Door、Application GatewayのWAF
- Azure Firewall
- ネットワークセキュリティグループ(NSG)
- 7-4 PaaSとの連携
- インターネットと同様のSNATを使ったアクセス
- サービスエンドポイント
- プライベートエンドポイント
- DNSインフラストラクチャ
第8章 Azureを使ったエンタープライズネットワークのベストプラクティス
- 8-1 クラウド活用のためのフレームワークや考え方
- クラウド導入フレームワーク(CAF)
- Azure Well-Architected Framework(WAF)
- Azureランディングゾーン(ALZ)
- 8-2 Azureの権限管理Microsoft Entra IDとサブスクリプション
- パブリッククラウドの権限管理
- Microsoft Entra IDとサブスクリプション
- Azureの権限管理はロールで行なう
- 複数サブスクリプションが存在する場合の権限管理
- 8-3 Azureランディングゾーン(ALZ)の全体像
- ALZのアーキテクチャ
- ALZにおける設計領域
- 8-4 ALZの実装例
- ネットワークトポロジー
- VNetベースのネットワークトポロジーからvWANベースのトポロジーへの移行
- 8-5 Azure Well-Architected Frameworkから見たALZの利点
- 信頼性の観点
- セキュリティの観点
- コスト最適化の観点
- オペレーショナルエクセレンスの観点
- パフォーマンスの観点
第9章 Azureランディングゾーンを使ったユースケース
- 9-1 Azure Migrateを使った移行
- Azure Migrateの概要
- Azure Migrateを利用したサーバー移行の注意事項
- Azure Migrateを利用するためのネットワーク構成
- Azure Migrate検出(Azure Migrate : Discovery)のためのネットワーク構成
- Azure Migrate評価(Azure Migrate : Assessment)
- Azure Migrate移行(Azure Migrate : Server Migration)
- Azure Migrate移行実行後のネットワーク構成
- 9-2 App ServiceなどPaaSとの統合
- ネットワークの観点からのAzure PaaSの分類
- PaaSを使ったWebアプリケーションアーキテクチャ
- 9-3 Azure Kubernetes Serviceとの接続
- ワーカーノードとコントロールプレーンの構成
- Kubernetes内のコンテナが通信を受信する仕組み
- AKSの内部ネットワーク方式
- AKSとAzureのサービスの連携
- 9-4 Azure Virtual Desktopのデプロイ
- AVDの必要要件と考慮事項
- 基本的なAVDのアーキテクチャとトラフィックフロー
- Azure Firewallを使ったアクセス管理
- 9-5 BCDR戦略
- Azureの可用性ゾーンに対する災害
- Azureで利用しているメインリージョン全域にわたる災害
第10章 運用と監視
- 10-1 ネットワークとシステムの運用項目
- インベントリの管理とシステムの監視
- システム構成のコンプライアンスの管理
- システムの障害からの保護と回復
- 10-2 監視データの種類と取得方法
- ログとメトリックの違い
- 主なネットワークサービスにおけるログとメトリックの種類
- ログとメトリックの取得方法
- NSGフローログ
- 10-3 監視ツール
- Azure Monitor
- Network Watcher
- その他のツール