Google Androidプログラミング入門改訂2版
2,992円 (2,720円+税)
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- Google Androidプログラミング入門 改訂2版 (KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)
内容紹介
われわれが「Google Android完全解説」というムックを書き終えたのは、2008年の初めのことでした。除夜の鐘を聴きながら原稿の最後のチェックをしていたことを今でも思い出すことができます。このムックは、書店に並んだAndroid関係の技術書としては世界初でした。その頃は、GoogleでAndroidをキーワードに検索をすると、日本語の検索結果としては「acid android」というロックバンドがほとんどを占める時代で、多くの人がAndroidというモバイルプラットフォームのことを知りませんでした。われわれは皆さんに早くAndroidの存在を知ってもらいたくて、その当時のバージョンのAndroidを使ってできる限りのことを調べ、書店に並べました。そして、それから約1年半後の2009年7月に、続編となる「Google Android プログラミング入門」を書きました。「Google Androidプログラミング入門」は、おかげさまで11刷りまで増刷を重ね、プログラミング関連の技術書としてはベストセラーと言ってよい程多くの方々に愛されました。「Google Androidプログラミング入門」では、Androidの基本的な概念を丁寧に解説するとともに、当時の最新のAPIでできることをできるかぎり網羅し、Android SDKの全貌をつかんでもらえるように努めました。
そして、あれから約3年の月日が経った現在、Androidの開発者やAndroidと関連した仕事に携わる人々の数は増え、Androidの技術書やAndroid関連の技術情報は巷に溢れています。Androidの進化は速く次々に新しい機能が追加されていきます。今回の改訂では、一変した状況の中で書籍という媒体を通してわれわれが世の中に貢献できることは何かと改めて考え直しました。
その結果、われわれが本書で目指したものは「初めてAndroidの開発に触れようとする人に安心してお勧めできる一冊」です。本書は狙いを
- 開発の第一歩となる環境構築から、アプリケーション公開にいたる一連の流れを体験すること
- 開発を行う上で必要な、Androidのバージョンに依存しない基本的な概念や理念を理解すること
の2点に絞り、第1版よりもコンパクトな書籍にまとめています。
Androidの現在の状況を鑑みると、第1版のようにAndroidが提供するすべての機能の使い方を網羅するアプローチは不可能ですし、何よりその意味も無くなりつつあるとわれわれは考えました。世の中にはさまざまな媒体があります。APIの使い方は書籍以外の媒体のほうが適しており、十分情報を得ることができます。われわれのこの選択が皆さんに受け入れられるか不安ではありますが、一人でも多くのAndroid開発者の最初の一冊になれるように努力し、できる限りのことをしました。これからAndroidアプリケーションを開発しようとされている方が本書と巡り会い、本書から何かを学び、Androidの開発を続けてくれたとしたら、われわれにとってこれ以上の幸せはありません。(「まえがき」より)
書誌情報
- 著者: 江川崇, 神原健一, 山田暁通, 佐野徹郎, 郷田まり子
- 発行日: 2012-08-31
- 最終更新日: 2012-08-31
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 449ページ(A4PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
対象読者
これからAndroidプログラミングを始める人、前著を今風に改訂したものが欲しい人
著者について
江川崇
Smartium 株式会社所属。Google Developers Expert(https://developers.google.com/experts/)。
adb kill-server を叩いた回数はおそらく世界で10 位以内に入ります。「まえがき」にも書きましたが、本書のアプローチが皆様にどう受け入れられるか楽しみです。個人的にはいい本ができたことに非常に満足しています。本書を手に取ってくださった皆様、そして一緒に執筆してくださった他のメンバーやレビュアーの皆さん、最後に、筆が進まず行き詰まっていたときに癒しと安らぎを与えてくれた娘の綾と妻の充津子、本当にありがとうございます。
神原健一
NTT ソフトウェア株式会社Android テクニカルプロフェッショナル。
新しい技術が大好きで、Android は正式版が出る前から触り始め、プライベートで開発した「セカイフォン」や「iTranslator for Android」など20 本以上のAndroid アプリをGoogle Play で公開するに至る。iplatform.org にて技術情報も発信中。業務でもAndroid に携わるなど、公私にわたりAndroidの世界に没頭。これらの活動がきっかけとなり、Google 社開発者イベントやラジオ番組に出演させていただいたのは、貴重な思い出。
本書を手にとってくださった読者の皆様、レビューにご協力いただいた方々、編集の鈴木さん、共に執筆を行った大切な仲間たちに感謝します。
最後に、休日など貴重な時間を執筆に充てることを許可し、支えてくれた妻のはるかに心より感謝します。
山田暁通
株式会社ドワンゴ・株式会社豆蔵などを経て、現在は株式会社gumi 所属。福岡市在住。
根っからのゲーム脳で、ゲームを開発するためにプログラミングを始める。その後、紆余曲折を経てAndroid と出会う。最近はUnity やWebView ベースのゲームが主流で、Android アプリケーションを業務で開発する機会が持てないことが悩み。
とはいえ、Android に関わり続けることで、多くのAndroid 開発者と知り合い、多くの影響を受けました。また、第1 版の読者の方々からは、さまざまな形で多くのフィードバックをいただきました。執筆に行き詰まりゲームの世界に逃避してしまったとき、再び執筆作業に復帰することができたのは本書を待ち望んでいる読者がいてくれたおかげです。本当にありがとうございます。
前回同様、本書の執筆に際しては多くの人に支えていただきました。共に執筆した仲間たち、編集の鈴木嘉平さん、レビューにご協力いただいた皆さん、困難な執筆期間に癒やしと安らぎを与えてくれた嫁たちに、心より感謝します。
佐野徹郎
株式会社ドワンゴ所属。
以前は主にエンタープライズJava や組み込みの開発に従事していました。Android についてはbeta版のころから追いかけていますが、Android 1.0 のリリースから4 年、現在は本業でもAndroid アプリケーションを開発しています。この4 年間、さまざまな進化を続けてきたAndroid ですが、まだまだ過渡期にあります。Android が今後どのように発展していくのか、これからも注目していきたいと思います。
最後に、この本を手にしてくださった読者の皆さん、レビューしていただいた皆さん、編集の鈴木さん、共に執筆した仲間たちに心より感謝します。
郷田まり子
株式会社鳥人間所属。「ToriSat -国際宇宙ステーションを見よう-」「NFC アラーム」「IC タグアラーム」などのAndroid アプリケーションを開発。
Android の技術は日々めまぐるしく変化し、追い続けなければならない開発者として心が折れそうになることもあれば、新しいモノ好きとして心が躍ることもあります。
発売されたばかりの第1 版を読んで育った自分にとって、改訂に参加し、最新の機能について執筆できたことはとても光栄でした。
共著者の皆さん、編集の鈴木嘉平さん、そして読者の皆さんに感謝します。
目次
経緯
Android の現状
- 本書について
- 本書が想定している読者
- 本書の構成と読み方
- サンプルプログラムの入手先
- 本書が想定している環境とそのバージョン
- 参考となる書籍
- 参考となる情報源
第1部 入門編:Android アプリケーションの開発~公開までの流れ
第1章 開発環境を作ってみよう
- 1.1 JDK のインストール
- 1.2 Eclipse のインストール
- 1.3 Android SDK のインストール
- 1.4 ADT Plugin for Eclipse のインストール
- 1.5 Eclipse の環境設定
第2章 エミュレータを動かしてみよう
- 2.1 AVD(Android 仮想デバイス)の作成
- 2.2 エミュレータの起動
第3章 アプリケーションを動かしてみよう
- 3.1 Hello Android をエミュレータで動かしてみよう
- 3.2 Hello Android を実機で動かしてみよう
- 3.3 Hello Android を改造してボタンを押すと何か起きるようにしよう
第4章 デバッグをしてみよう
- 4.1 ログの出力
- 4.2 デバッガの利用
第5章 アプリケーションをさらに改造してみよう
- 5.1 画面を2 つにしよう
- 5.2 画面間でメッセージを送れるようにしよう
- 5.3 タブレットにも対応しよう
第6章 作ったアプリケーションをマーケットに公開してみよう
- 6.1 Google Play の開発者アカウントの取得
- 6.2 公開に必要となるファイルの準備
- 6.3 アプリケーション公開の手続き
第2部 基本編:アプリケーションの基本概念
第1章 アプリケーションを構成する要素
- 1.1 はじめに
- 1.2 アクティビティとフラグメント
- 1.3 ライフサイクル
- 1.4 インテント
第2章 レイアウト
- 2.1 View とViewGroup
- 2.2 ViewGroup
- 2.3 ViewGroup の利用方法
- 2.4 ViewGroup の仕組み
第3章 画面部品
- 3.1 View
- 3.2 View の仕組み
- 3.3 入力の受付
- 3.4 サイズの報告
- 3.5 画面の描画
第4章 画面操作に依存しない処理
- 4.1 メッセージループ
- 4.2 「Weather(現在の天気)」アプリケーション
- 4.3 AsyncTask
- 4.4 Thread とHandler
- 4.5 Looper
- 4.6 サービス(Service)
- 4.7 サービスの応用
- 4.8 サービスの振る舞い
- 4.9 常駐型サービスの注意点
第5章 データをずっと記録しておく
- 5.1 プリファレンス
- 5.2 SQLite
- 5.3 コンテントプロパイダ
- 5.4 BackupManager
第6章 データとUI のバインディング
- 6.1 Adapter とAdapterView によるデータバインディング
- 6.2 ListView の要素をカスタマイズする
- 6.3 ListView のスムーズなスクロールを実現する
- 6.4 Loader によるデータの非同期読み込み
- 6.5 AsyncTaskLoader を拡張した独自のローダー
第7章 アプリケーションリソース
- 7.1 ソースコードから独立した情報
- 7.2 さまざまなアプリケーションリソース
- 7.3 代替リソース
第3部 応用編:実践テクニック
第1章 さまざまなデバイスに対応する
- 1.1 "Android compatible"
- 1.2 プラットフォームのバージョン
- 1.3 さまざまな機能
- 1.4 さまざまなスクリーン
- 1.5 APK の分割
第2章 アプリケーションの基礎
- 2.1 アプリケーションとタスク
- 2.2 アプリケーションとプロセス
第3章 効率的な開発のためのテストと性能評価
- 3.1 Android におけるテストの課題と対応方針
- 3.2 テスト対象のアプリケーション
- 3.3 テスティングフレームワークによるテスト
- 3.4 NativeDriver によるUI テスト
- 3.5 Android アプリケーションの性能評価
第4章 Android アプリケーションにおけるセキュリティの基礎
- 4.1 リソースの保護
- 4.2 プロセスとユーザー
- 4.3 ユーザーとプロセスの共有
- 4.4 ファイルの共有
- 4.5 プロセス間連携のセキュリティ
- 4.6 情報の暗号化
- 4.7 その他に注意すべき事項
付録A GCM
- A.1 GCM とは
- A.2 GCM の制約事項
- A.3 GCM の仕組み
- A.4 GCM の利用準備
- A.5 ヘルパライブラリのインストール
- A.6 クライアントサイドの実装
- A.7 サーバ側の実装
- A.8 C2DM からのGCM への移行