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“巧みさ”とロボットの力学 プレミアムブックス版

マイナビ出版

4,180円 (3,800円+税)

ロボットが“巧みさ”を手に入れるには? 冗長自由度系の不良設定性から“巧みさ”の力学的原理に迫る。

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内容紹介

人が日常的に何気なく行っている、目標物に向けて手を伸ばしたり、物を掴んだりするような巧みな動作。それを多関節・多自由度なロボットで実現するには、その動作を生み出す「プログラム(計算式)」を用意しなければなりません。そして、そのプログラムを記述する時に、逆運動学の不良設定性が問題となります。

この問題をいかに解消するか?

それがロボットで「巧みさ」を実現するための鍵となります。本書では、ロボットが自然にこの問題を解消するための、数学的道筋に言及し、「巧みさ」の源泉を探ります。

※本書は『“巧みさ”とロボットの力学』(2008年5月刊行)をプレミアムブックス版として復刊したものです。内容は変更されていませんので、ご了承ください。

書誌情報

  • 著者: 有本卓, 関本昌紘
  • 発行日: (紙書籍版発行日: 2016-12-09)
  • 最終更新日: 2016-12-09
  • バージョン: 1.0.0
  • ページ数: 256ページ(PDF版換算)
  • 対応フォーマット: PDF
  • 出版社: マイナビ出版

対象読者

著者について

有本卓

有本 卓 博士(工学)
1936年 広島県生まれ
1959年 京都大学理学部数学科卒業
1973年 大阪大学基礎工学部 教授
1988年 東京大学工学部 教授
1997年 立命館大学理工学部 教授
大阪大学名誉教授
制御工学,情報理論,ロボティクス,マシンインテリジェンスの研究に従事.
1994年情報理論とその応用学会会長,1995~97年日本ロボット学会会長,1983年IEEE Fellow,2000年IEICE Fellow,2002年RSJ Fellow,2005年JSME Fellow.2000年IEEE Third Millennium Medal受賞.2000年4月紫綬褒章受章.2006年IEEE R&A Soc. Pioneer賞,2007年ASME Rufus Oldenburger Medal受賞.2012年には瑞宝中綬章を受章.
【著書】 知能科学―ロボットの“知”と“巧みさ”―(コロナ社/2007),数学は工学の期待に応えられるのか(岩波書店/2004),新版ロボットの力学と制御(朝倉書店/2002),ロボットにかける夢―知と身体の調和をめざして(岩波書店/2000)など,他多数.

関本昌紘

関本 昌紘 博士(工学)
1980年 東京都生まれ
2003年 立命館大学 理工学部 ロボティクス学科卒業
2007年 立命館大学大学院 理工学研究科 博士課程後期課程修了
2010年 富山大学 工学部 機械知能システム工学科,講師、大学院理工学研究部 ナノ・新機能材料学域 ナノマテリアル・システムデザイン学系,講師
ロボティクスを専門とし、特に冗長自由度を持つロボットの運動生成や繰り返し 学習の研究等に従事.

目次

1 手や腕の巧みさの源泉(脳科学,発達心理学,ロボティクスの観点)

  • 1.1 身体運動の巧みさは遊びから育つ
  • 1.2 手や腕に似せたロボットに巧みさは備わるか
  • 1.3 冗長関節系と自由度問題
  • 1.4 冗長関節系としての手指
  • 1.5 日常物理学の困難
  • 1.6 運動と行動の動機づけ

2 冗長自由度に関するベルンシュタイン問題

  • 2.1 ベルンシュタイン問題(冗長自由度問題)
  • 2.2 冗長自由度と協応
  • 2.3 冗長関節系のヤコビ行列
  • 2.4 運動学に基づく最適性
  • 2.5 作業空間におけるジャーク最小規範
  • 2.6 ベクトルの内積と外積(剛体の運動学)

3 運動の法則と解析力学

  • 3.1 ニュートンの運動の法則
  • 3.2 仕事とポテンシャルエネルギー
  • 3.3 1 自由度系の運動
  • 3.4 剛体の回転運動と慣性モーメント
  • 3.5 変分原理とエネルギー保存則
  • 3.6 平面ロボットの運動方程式

4 リヤプノフの安定論と受動性解析

  • 4.1 線形システムの安定性
  • 4.2 可制御性と可観測性,可安定性と可検出性
  • 4.3 リヤプノフ関数と受動性
  • 4.4 倒立振子の安定化制御
  • 4.5 冗長自由度系として見た倒立振子
  • 4.6 PD フィードバックに基づくロボット制御
  • 4.7 作業空間におけるPD 制御

5 冗長多関節リーチング(仮想バネ・ダンパー仮説)

  • 5.1 これまでのリーチング研究
  • 5.2 仮想バネ仮説
  • 5.3 冗長多関節運動の難しさ
  • 5.4 冗長多関節運動とリヤプノフの安定論
  • 5.5 多様体上の安定論
  • 5.6 冗長多関節リーチングの漸近安定性
  • 5.7 仮想バネ・ダンパー仮説
  • 5.8 熟練動作の再現

6 仮想バネ・ダンパー仮説とロボット制御

  • 6.1 産業用ロボットアームによるリーチング実験
  • 6.2 摩擦軽減時のリーチングと仮想ダンパー効果
  • 6.3 自由度を残した制御法の利点

7 手の巧みさと知能の高さ

  • 7.1 ころがり接触による物体操作
  • 7.2 最小作用の法則と巧みさ制御
  • 7.3 ピンチングの数学的モデル
  • 7.4 重力下における安定なピンチング
  • 7.5 ピンチングの巧みさ:Blind Grasping
  • 7.6 巧みさの源:力学的原理

8 学習による巧みさの獲得

  • 8.1 線形システムの繰返し学習
  • 8.2 平面2 関節アームによる手先動作の繰返し学習
  • 8.3 冗長多関節アームによる手先動作の繰返し学習

9 巧みさと脳

  • 9.1 発達心理学の観点:到達運動の創発
  • 9.2 身体運動の構築モデルをめぐる論争
  • 9.3 感覚の協応と学習

A リヤプノフの安定解析

B LaSalle の不変定理,および一様連続関数

C 冗長多関節リーチングの安定性の証明

D 倒立平衡多様体への指数関数収束の証明

参考文献

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